生成系AI以前のチャットボットの多くはルールベース型で、事前に想定した質問への回答パターンを設定しておく必要がある。
そのため、質問が事前想定文に沿ってないものや、言い回しが異なる質問への対応が困難であった。
こうした中、公益財団法人大阪観光局は、訪日外国人旅行者に対応するべく、大阪公式観光情報サイト「OSAKA-INFO」に、これまで設置してきたAIチャットボットに、20言語以上に対応可能な生成系AIチャットボットを新たに加えることを発表した。
今回導入する多言語生成系AIチャットボット「Kotozna laMondo(コトツナ ラモンド)」は、Kotozna株式会社が株式会社JTBと連携して提供するものだ。
「Kotozna laMondo」は、GPT-4を活用した多言語AIチャットボットで、生成系AIであるGPT-4を活用しているため、自然な会話による対話が可能だ。
しかし、これら生成系AIは自然な対話ができる一方で、個別の具体的な質問に対して、回答の正確性は必ずしも高くないという欠点があった。
そこでKotoznaは、固有データベースの学習と独自プロンプトエンジニアリング技術を掛け合わせ、特定の事業者に特化した情報を、回答の直前にChatGPTに教えることで、事業者に関連する正確で信頼性の高い情報を提供する。
具体的には、「OSAKA-INFO」を中心とした大阪の観光情報を提供するWEBサイトの情報をもとに、旅行者の質問に自然な言葉で回答する。
また、WEBサイトの情報更新にあわせ、「Kotozna laMondo」も自動更新されるため、管理者による情報更新作業の省力化が可能だ。
さらに、天気などリアルタイムで更新される情報についても特定のWEBサービスと連携し、回答を行うことが可能になる。
対応可能言語は20言語以上で、「Kotozna laMondo」はブラウザ言語に応じて表示言語が自動で切り替わる仕様となっている。
今後は、2023年10月16日より「OSAKA-INFO」に導入した後、大阪観光局公式・観光アプリ「Discover Osaka」にも搭載していくとしている。
また、レストランや送迎などの予約機能、防災情報等とも連携させていく予定だ。
なお、2023年10月17日~20日に幕張メッセで解されるIT展示会「CEATEC 2023」において、「Kotozna laMondo」のデモ展示が実施される。
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