三津浜花火大会は、例年約20万人規模の人出となり、会場周辺および花火大会終了後の最寄り駅までの混雑における安全対策が課題となっている。
こうした中、株式会社インテックと株式会社愛媛CATVは、愛媛県松山市で開催された三津浜花火大会において、AIカメラとデータ連携基盤を活用した混雑検知の実証実験を、2023年8月5日に実施したことを発表した。
今回発表された実証実験では、AIカメラとデータ連携基盤を活用し、花火大会終了後の会場から最寄り駅間にある商店街内の混雑状況をリアルタイムに測定・可視化を行った。これにより、駅までの所要時間・到着時刻を予測し、乗車可能な列車候補等の通知が行えるかを検証した。
具体的には、三津浜商店街内の計5か所にAIカメラを設置し、画像AI解析により滞留人数をカウントすることで、閾値に基づいた混雑状況を「通常」、「やや混み」、「混雑」、「大混雑」の4段階で可視化できるか検証した。
その結果、花火大会終了後の密集状況および19時以降の暗所での検証であったが、滞留人数のカウントおよび閾値に基づいた混雑状況を可視化することができた。
また、測定した滞留人数と、測定箇所における人流(会場→駅方面の通行人数)から、通行者の歩行速度を分析し、駅までの所要時間・到着時刻を予測できるか検証した。
その結果、混雑状況(4段階)に応じて歩行速度を仮定し、区間毎の所要時間を算出および到達時刻を予測することができた。
さらに、混雑状況をWebアプリでヒートマップ表示(約1分間隔で更新)し、予測モデルによる駅までの所要時間・到着時刻をメールで通知(約5分間隔)した。なお、今回の実証実験は、実現性の検証であったため、Webアプリおよびメール通知の一般公開は実施していない。
その結果、Webアプリへの表示およびメールでの通知は、目標設定したレスポンスタイムどおり実施することができた。
両社は、今回の実証実験を通じて、混雑検知技術および人流データが、イベント開催時の安全対策の施策検討に貢献できることを確認した。また、これらのデータをアプリで可視化・公開することで、様々なユースケースにて活用することができるとしている。
なお、愛媛CATVのデータ連携基盤は、インテックが提供する「エリアデータ利活用サービス」の技術・ノウハウを活用して構築している。
インテックは、今回の実証実験の成果であるAIカメラ等エッジAI技術の活用や、予測モデル構築におけるノウハウをサービスメニュー化し、「エリアデータ利活用サービス」のオプションに加え、全国展開していく予定だ。
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