クボタ、日本IBMと共同開発したスマート水道工事システム「パイプロフェッサー」を提供開始

日本国内では、法定耐用年数の40年を超えた水道管路の割合が約2割に達している。

このまま水道管路の老朽化が進行すると、水道管の破損による漏水や断水など、ライフラインに影響が生じるリスクが高まるため、早急に管路の更新を進める必要があるが、水道管路の更新ペースを示す管路更新率は年々低下し、現状は年0.65%のペースとなっている。(参照:厚生労働省「令和4年度全国水道関係担当者会議」)

こうした中、株式会社クボタは、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)と共同開発した、クボタスマート水道工事システム「PIPROFESSOR」(以下、パイプロフェッサー)の本格提供を、2023年10月16日から開始した。

「パイプロフェッサー」は、水道工事の設計から施工計画、施工管理、竣工図書作成までをデジタル化し、連携するサービスだ。「設計」「施工計画」「施工管理」の各業務に対応した3つのアプリケーションと、そのデータから報告書類を自動作成するアプリケーションで構成されている。

自動作成した管路の設計図や施工計画のデータと、スマホ経由で収集した工事現場での施工データを、クラウド上に構築したデータプラットフォーム「PIPEFUL(パイプフル)」に取り込み、提出書類を自動作成する。

クボタ、日本IBMと共同開発したスマート水道工事システム「パイプロフェッサー」を提供開始
パイプロフェッサーの構成イメージ図

想定される利用シーンは、主に工事業者で、必要なアプリケーションを月額または年額制の定額課金(サブスクリプション)で提供する。

なお、クボタはシステムの全体構想や、設計や工程算出を自動化するアルゴリズムの開発、システムに必要な配管技術などのノウハウの部分を担っており、日本IBMはMicrosoft Azure上でのデータプラットフォームの構築に加え、施工計画における工程算出アルゴリズムの実装や、施工管理で用いるiOSアプリの開発、提出書類自動作成機能の開発など、アプリケーションの設計・開発および運用を担っている。

今後、クボタは、「パイプロフェッサー」を構成するアプリケーションの拡充を図るとともに、維持管理・更新計画業務に関するソリューションについても、早期の提供開始を目指すとしている。

また、2023年10月18日~20日に東京ビッグサイトで開催される「2023東京水道展」のクボタグループブースにて、デモンストレーションを交えて「パイプロフェッサー」が紹介される予定だ。

「パイプロフェッサー」の各アプリケーションの概要

自動配管設計支援システム(PIPE-Pro)

クボタ独自のAI技術を活用して、管路の設計図面・書類を自動で作成する。

施工計画システム

独自の工程算出アルゴリズムにより効率的な施工工程を自動算出し、工程計画表や作業指示書などのもとになるデータを作成する。

施工情報システムⅡ

現場で使用するスマートフォン・アプリ。ガイダンスに従って水道管の接合チェックなどを行い、その施工データを入力することで施工品質を確保しながら工事日報や管割図のもとになるデータを蓄積する。

提出書類作成支援システム

「施工計画システム」「施工情報システムⅡ」のデータを基に、着工前から工事中、完成後に必要な各種報告書類を自動で作成。作成頻度が高いまたは煩雑な計算を伴うなど、作業負荷の高い書類を中心に、約20種類の書類に対応する。

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