全国では、年間200件程度の踏切事故が発生し、死傷者数も100人を超えているほか、その都度列車の運休や遅延を伴っている。
こうした中、名古屋鉄道株式会社、名鉄EIエンジニア株式会社、株式会社トヨタシステムズ、東邦電機工業株式会社の4社は、踏切道を通行する人や車をAI画像解析で判別し、列車が接近中に人や自動車の滞留など、危険な状況が確認された際に、異常を検知するシステムの実証実験を2022年12月5日から実施していた。
そして本日、このシステムを、踏切付近に設置してある表示装置と連動させる仕組みを構築した上で、本格運用を開始することを発表した。
現行の踏切内における異常を検知する装置では、「踏切内に物体が存在しているか」を検知しているのに対して、新しい踏切監視システムでは、踏切内だけでなく、踏切の周囲も含めてカメラの映像に映っている人や自動車等がどのように動いているかを検出・解析するAI画像解析技術を用い、異常検知の精度を高めている。
システムが危険と判断した際には、連動した表示装置により、列車の乗務員に対し踏切の異常を知らせる信号を表示することで、従来では困難であった事故の予兆を検知し、事故発生を防止するシステムとして運用する。
実施場所は、名古屋鉄道の瀬戸線、新瀬戸2号踏切で、今後順次拡大を予定している。なお、2023年度内の稼働予定数は10踏切だ。
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