milab株式会社と神戸市は、協定先企業がログインなしで自治体と連携できる仕組みを使い、防災備蓄管理の災害時物資配送DX化に向けた実証実験を行った。
大規模災害時には、避難所への素早い物資配送が重要となるが、関係者間の連絡手段や物資配送情報のやり取りは限定的であり、その課題を解決するシステムが求められている。
しかし、そのようなシステムが導入されても、使用頻度が限られ、災害時にスムーズに利用するためには徹底的な訓練が必要となる。この現状を踏まえ、milabは協定先企業がログインなしで自治体と連携できる仕組みを開発した。
神戸市の危機管理センターで実施されたこの実験では、実際の災害を想定し、集積・配送拠点から避難所への物資配送の一連の要請・受取連絡フローに新たな仕組みを導入し、その有効性を検証した。
具体的には、神戸市の救援物資対策チームが新システムを使用し、協定先の流通事業者や配送業者、物資を保管する集積・配送拠点の担当者、避難所担当の職員とのコミュニケーションを統制した。
救援物資対策チーム以外の民間事業者や職員は、物資配送時にシステムへのログイン作業は不要で、スマートフォンの「+メッセージ(プラスメッセージ)」のみを使用し、配送の進捗と履歴を自動的に記録・管理することが可能になった。
なお、「+メッセージ」は、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、ソフトバンク株式会社の携帯3社が提供する、世界的に標準化されているRCSに準拠したメッセージサービスだ。携帯3社に加え、MVNOでも利用することができる。
これにより、神戸市の物資配送フローが紙の帳票と印鑑からスマートフォンのメッセージによる自動記録・管理に変わり、電話番号だけで救援物資対策チームと情報交換が可能になるなど、新システムの操作容易性が高く評価されたのだという。
milabは今回の実証実験のフィードバックをもとに、現在の仕組みを洗練させ、多くの自治体や協定先企業へ、基盤となる仕組みの構築を目指すとしている。
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