NTT東日本と横浜市、マンホール蓋の異常判定と劣化予測に関する実験を完了

横浜市には、下水道管路施設としてマンホールが約54万箇所あり、老朽化する施設が増加している。

維持管理の必要性・重要性が高まっている中、これまでは下水道管路施設のマンホール蓋は、摩耗の進行やガタつき等の事象をもとに、職員の経験知等により交換時期を判断していた。

そこで東日本電信電話株式会社 神奈川事業部(以下、NTT東日本)と横浜市は、「マンホール蓋の異常検知AI開発」に関する実証実験プロジェクトを実施しており、今回「型式判定・異常判定」と「劣化予測の実用化」の実験を完了したと発表した。

この実証実験では、マンホール蓋の型式や異常判定、及び劣化度をAIで予測した。

型式判定では、業務活用しやすい「材質、採用年代」の型式分類グループを作成。7つのグルーピングにより、全人孔の97%をカバーしている。

そこ結果、目視で間違えやすい型式も含めて、テスト画像350枚に対して約99%の精度で判定することができた。

異常判定では、自社が保有するマンホール点検ノウハウを活用し、蓋の破損に加え、実用できる異常項目(摩耗・路面ヒビ・縦ズレ・錆・留め具破損・蓋種別)を定めた上で、異常判定AIを開発・活用し異常判定を実施した。

NTT東日本と横浜市、マンホール蓋の異常判定と劣化予測に関する実験を完了
路面ヒビのAI判定結果写真

また、劣化予測では、錆の定量化を実施し、「劣化」などの予測を実施。50年以上経過したデータや他要因を組み合わせることで、劣化予測の精度向上が可能となった。

NTT東日本と横浜市、マンホール蓋の異常判定と劣化予測に関する実験を完了
現在の錆の状態から将来の劣化を予測

なお、経過年は型式の採用年から算出し、錆び割合は錆び検知AIから算出している。各経過年で錆び割合に差があるため、「合流」「汚水」「雨水」毎に、3パターンの劣化予測モデルを作成した。

これらの結果から、従来からのマンホール蓋等の撮影において、撮影画角をAI点検画角に変更することにより、横浜市としてシステム導入や大きな運用変更をせず、業務稼働の効率化および点検精度の維持・向上を実現できるとしている。

横浜市は、「下水道マンホール蓋は材質や設置年代を判別するための『型式判定』と、劣化状態を判断する錆・摩耗に関する『異常判定』は、現在の調査業務で適用できる精度の判定を実現することができ、作業時間を短縮することが期待できる結果となった。

『劣化予測』では、錆に関する劣化予測モデルを構築し、将来の錆の劣化進行を下水道マンホール蓋1か所毎に算出することで、下水道マンホール蓋の更新計画策定の資料として活用できる可能性が得られた。」とコメントしている。

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