TDCソフト株式会社は、栃木県矢板市のデータ連携基盤を構築し、その基盤を活用した災害時の避難所運営を支援する「避難所チェックインシステム」を開発した。
「避難所チェックインシステム」は、災害時に避難所へのチェックインをスマートフォンで行えるように設計されているシステムだ。
主要な機能は、避難者情報の登録や管理、リアルタイムな情報共有などだ。
具体的には、氏名、住所、連絡先などの情報をスマートフォンから入力し、避難者情報を登録することができる。また、登録された避難者情報を一覧で確認・検索したり、CSVファイルへ出力することも可能だ。さらに、避難者数の推移や避難者の属性などをリアルタイムに把握し、市本部などとの情報共有をスムーズに行うことができる。
システムの特徴としては、災害時でも電源やネットワークが遮断されている状況を想定し、シングルボードコンピュータのRaspberry Piを採用することで、スタンドアロンでの動作を可能にしている点だ。
また、スマートフォン側に特別なアプリケーションのインストールは不要で、QRコードを読み込むことでチェックインすることができる。
このシステムの導入により、避難者管理の効率化や、リアルタイムな避難者情報の把握、それによる二次被害の防止などが期待されている。
矢板市生涯学習課スポーツ推進室の川上将司氏は、「システム興産ならびにTDCソフトには、データ連携基盤システムを始め、避難所チェックインシステムの開発を支援していただき、大変感謝している。本システムは災害時の避難者管理を効率化し、市民の安全確保に大きく貢献してくれると確信している。今後もシステム興産、TDCソフトと共に、データ連携基盤のさらなる活用を通じて、市民サービスの向上と地域活性化を目指す」と述べている。
今後TDCソフトは、今回の開発で得られたノウハウを活かし、他の市町村への導入支援を行う予定だ。また、将来的には周辺地域との連携を強化し、広域での災害対策にも貢献できるよう機能の拡充を図るとしている。さらに、矢板市と共にデータ連携基盤の活用を進め、市民が満足する政策の立案と地域全体の活性化に貢献する計画だ。
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