ソフトバンク株式会社は、災害発生により、通信サービスが一時的に利用できなくなった地域の暫定的なネットワーク復旧手段として、新たな避難所向けシステムを開発した。
このシステムは、衛星ブロードバンドインターネット「Starlink」と、ソフトバンクの小型無線機およびWi-Fiルータを組み合わせたものだ。災害によってモバイル通信サービスが利用できなくなった地域の避難所で、暫定的に通信サービスを提供する。
具体的には、避難所内にインターネット経由のバックホール回線で接続可能な5G対応の小型無線機とWi-Fiルータを組み合わせた簡易基地局を設置し、屋外に設置した「Starlink」のアンテナと接続する。
これにより、ソフトバンク回線を利用する顧客には音声通話やデータ通信などのモバイル通信サービスを提供するとともに、ソフトバンク回線以外を利用する人でも無料Wi-Fiサービスを利用可能となる。
なおこのシステムは、2024年7月から順次、全国のネットワーク拠点への配備を開始し、同年9月には全国で運用可能な体制の構築が完了したとのことだ。すでに、9月21日に発生した大雨災害への対応として、石川県珠洲市の避難所で同システムが運用されている。
また、同システムは、宮城県仙台市の協力を得て、指定災害避難所として登録されている廃校となった旧作並小学校の体育館と校庭の一部で、設置手順や最適な設置場所を検証する実証実験を実施した。
実証実験では、避難所を想定した間仕切りが設置された環境でも、電波伝搬や通信速度に影響がなく、電波伝搬や通信速度への影響はなく、音声通話とデータ通信が利用できることが確認された。
加えて、設置に関する検証では、災害時に安全かつ迅速に通信サービスを提供するために、実運用を想定した施工手順を確認したとのことだ。
ソフトバンクは、自然災害などでサービスエリアに支障が生じた場合でも、迅速に復旧させるとともに、避難する人々に対しても安定した通信サービスを提供し、災害時でも安心して通信サービスを利用できるネットワーク環境の構築を進めていくとしている。
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