KDDIは、沖縄セルラーの協力を得て、沖縄県那覇市において2017年度内の商用化を目指しているIoT向け通信規格LTE-M (Cat.M1) を活用し、ごみ箱のごみ量の遠隔監視を行う屋外実証実験を実施した。
KDDIは、①省電力、②広域なエリア、③低コストの三拍子揃ったネットワークとして、携帯電話網を利用するLTE-Mの活用を推進している。
今回、同社は観光地では管理上の問題でごみ箱が設置されない場合がある、あるいはごみ箱がないことで利用者は不便を感じているケースがあるといった課題に目をつけた。
ごみ箱にIoTセンサーを取り付け、定期的にごみの集積量を管理サーバーに通知するシステムができれば、適切なタイミングで回収をおこなうことができ、ごみ溢れの防止やごみ回収の効率化、回収に係るコスト削減などが期待できる。
場所は沖縄県国際通り周辺の4カ所、日程は9月2日(土)~9月8日(金)の1週間で行われた。
- 「おきなわ屋泡盛蔵 スクランブル交差点」前
- 「御菓子御殿 国際通り松尾店」前
- 「デパート リウボウ」前
- 「au NAHA」前
同実証実験の内容は大まかに次の2点だ。
- LTE-M通信を利用してごみ箱の満空データ収集する。
- IoTごみ箱の運用における課題を抽出する。
システム構成は以下のとおりで、管理者はウェブ画面からごみ残量をリアルタイムで監視し、ごみ回収タイミングを最適化できる。また、閾値を超過すると自動通報メールで通知される。
デバイスは、距離センサー、LTE-M対応通信機器、バッテリー、CPU等から成る(上蓋を開けると見える)。LTE-Mに対応した小型通信機器を活用することで、省スペース/低コストの実装を実現した。
実証実験の結果、距離センサーによる簡易システムでごみの残量確認に成功した、また、ごみ箱の設置個所によってごみの溜まる量にばらつきがあり、回収作業を効率化する余地があることがわかった。具体的には、9月6日19時47分時点でごみの溜まった量が4個所中3個所は33.0~40.9%だったのに対し、スクランブル交差点では84.7%と、ごみの溜まるペースが速いことがわかった。
【関連リンク】
・ケイディーディーアイ(KDDI)
・沖縄セルラー(OCT)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。