KDDIとKDDI総合研究所は、災害時に携帯電話サービスのご利用が困難なエリアの一時的な復旧を目的として、小型の携帯電話基地局を搭載した「無人航空機型基地局(ドローン基地局)」を開発し、本年12月14日に鹿児島県熊毛郡屋久島町において、携帯電話基地局システムを搭載したドローン基地局による実証実験に成功したと発表した。
なお、同事業は、総務省より技術試験事務「移動型の携帯電話用災害対策無線通信システムに関する調査検討」として本年7月に受託し、実証実験を実施したものだ。
ドローン基地局は、小型・軽量化した携帯電話基地局システムを搭載しており、災害時に陸上や海上からの携帯電話サービスの提供が困難な状況においても、上空から対象エリア内における一時的な携帯電話サービスの提供が期待できる。
加えて、地上に設置する携帯電話基地局システムと連携できない状況においても、同システムの端末の移動管理機能により、携帯電話から発信される電波を補足することで対象エリア内の在圏状況が確認できるため、災害時の救助要請や捜索活動にも効果が期待できる。
実証実験の概要は以下の通りだ。
- ドローンの機体に簡易版の携帯電話基地局システム(無線設備・モバイルコア設備)を搭載したドローン基地局を用いた。
- 同携帯電話基地局システムについて、ドローン搭載、携行可能な携帯電話基地局システムとするため、小型化・軽量化(約3kg)した。
- 同システムの特徴の一つは、モバイルコア設備を有していることにより、車載型基地局車等が到達できない地域においても、ドローン単独で携帯電話のエリアを構築し、携帯電話の一部の機能を提供することが可能であることだ。
- 今回の実験では以下機能の提供可否について実証実験を行った。
- 外部通信路がない状態における次の内容
- ドローン基地局単独飛行による携帯電話サービスの提供
- 端末台数の把握
- 情報の一斉配信
- 外部通信路がある状態での被災地エリア外への通信など
- 外部通信路がない状態における次の内容
【関連リンク】
・ケイディーディーアイ(KDDI)
・KDDI総合研究所(KDDI Research)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。