トラックドライバーの不足、労働環境の改善などを背景に、輸送の効率化を検討する企業が増えています。近年、荷主企業同士の共同輸送の例が話題になっていますが、その多くは同業種での取り組みが中心になっている。
一般に、同じ業界同士の企業では、物流形態や季節波動が似通っていることが多いため、お互いがメリットを出せる経路を見出すことが難しい傾向にある。一方で、通常、異業種との日常的な交流は少ないため、対話の相手を見つけること自体が実務的なハードルになっている。
実際に、一部の荷主企業からは「同業種同士の取り組みは一巡した」「全くの異業種の企業とは対話のきっかけが見つからない」といった声が挙げられているという。
日本パレットレンタル株式会社は「共同輸送マッチングサービス」のモニター企業の募集を開始した。
同サービスは、多数の企業の輸送経路等をデータベース化したものを基に、群馬大学および明治大学との産学共同研究によるAIによって、経路、想定運賃や荷量の需給・季節変動等を考慮した上で業界を跨いだ荷主企業同士をマッチングするサービスである。荷主とドライバー(車両)をマッチングする「求貨求車」とは異なり、荷主と荷主をマッチングする。
また、往路・復路の組み合わせだけでなく、3つの経路を結ぶマッチングや同一経路で混載を行う相手を探すマッチングなどの機能も実装している。
同サービスにより、共同輸送によって実車率や積載率の向上、CO2排出量の削減を図り、物流の効率化に貢献する。
モニターに登録された企業には、無償にてサービスが公開され、後日サービス改善のためのインタビューが実施される。モニター利用の期間は2021年8月末までを予定している。
なお、同サービスは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業」により研究開発されたシステムをベースにしている。
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