PortX、大手荷主向け物流支出管理プラットフォーム「PortX」製品版を提供開始

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SCM・物流部門からアクセス可能な経営課題として、「物流費の高騰による限界利益率の低下」「サプライチェーンのレジリエンス(柔軟性)」の低下が挙げられる。これらの課題を解決するためには、見積・入札から請求まで統合的なコストデータがリアルタイムかつ利用できる形で手元に集まっている必要がある。

しかし、多くの大手荷主企業では、特に国際輸送を含む物流支出のデータマネジメントとその統合において、実用的な解決策が確立されていないのが現状である。この状況の根底には、見積・入札、請求処理など、物流支出にかかわる各業務プロセスがサイロ化(分断化)していること、またデータもサイロ化されているという事実がある。

このような背景から、物流支出にかかわる各業務プロセスを1つのプラットフォームに統合し、リアルタイムかつ自動でコアデータが集まるデジタル基盤である「LSM(Logistics Spend Management : 物流支出管理)」は、今、急速にその重要性を高めている。
PortX、大手荷主向け物流支出管理プラットフォーム「PortX」製品版を提供開始
株式会社PortXは、見積・入札管理、請求処理、支出管理のプロセスを統合し、グローバルで物流支出の可視化、統制、改善を可能にするLSMプラットフォーム「PortX」の製品版の提供を開始した。

PortXは、スポット見積・定期入札・運賃表(トラック・倉庫含む)管理から請求処理、支出管理までの一連の物流支出管理プロセスを1つのクラウドプラットフォーム上で管理・可視化することで、見積・請求にかかわる業務のデジタル化を推し進め、コスト削減や業務効率化を実現するLSMプラットフォームである。見積管理クラウド(PortX RFQ)と請求管理クラウド(PortX BILL)の2つのクラウドアプリケーションによって構成されている。
PortX、大手荷主向け物流支出管理プラットフォーム「PortX」製品版を提供開始
見積管理クラウドには「見積・運賃表アプリ」「入札アプリ」「レート管理アプリ」が含まれている。

海上・航空輸送、トラック、通関、倉庫などのスポット見積や運賃表は、基本的に物流企業固有のフォーマットであるため、項目名やフォーマットが揃わずデータ管理を行うことが難しくなっている。見積・運賃表アプリでは、AIを搭載したマスタ管理と読み取り技術で、異なる項目名を管理用の項目名へそれぞれ自動で変換し、99.9%の精度でデータ化し、管理することができる。交渉情報(交渉文章やタイミング)といった非構造化データまで履歴が残る形でデータ化される。

また、海上・航空・鉄道・自動車専用船輸送の定期入札は、荷主企業のフォーマットである一方で、レーン数および入札項目数が膨大であるため、比較や交渉業務が煩雑になり、データに基づいた交渉および選定が難しくなっている。

PortXの入札アプリでは、データ分析に特化した入札フォーマットをクラウド上でノーコードで作成することで、比較および交渉業務の高度化に貢献する。加えて、前回の入札データをインポートする、またはPortXで入札業務を行なっていることでレーンごとに入札項目レベルで昨対比を確認することができる。

さらに、BAFをはじめとした変動運賃の管理や社内の各事業部への運賃の展開業務は、データの編集、更新、管理と閲覧権限の細かな設定が必要となり、複数のエクセルファイルを切り出し、統合する必要があり、ミスの温床や最新の情報がどこにあるのかわからないといった課題を引き起こす。PortXのレート管理アプリでは、変動運賃の管理を効率化し、自動で履歴を残し、変動を確認することができる。また、レーンごとに権限を与えることができ、事業部や海外子会社への運賃の展開業務も効率化される。

一方の請求管理クラウドには「請求処理アプリ」「支出管理アプリ」が含まれている。

物流企業ごとに異なるフォーマットの請求書(月間数千件~数万件)を手作業でデータ化する請求処理業務は、膨大な業務工数がかかる一方で、ミスも多く1請求書ごとに確認を行い、請求処理を行うことが難しいという課題が存在している。

PortXの請求処理アプリでは、AIOCRとインポート技術により、電子データの個別請求書であれば99.9%、スキャンデータの個別請求書であれば96.0%、一括請求書であれば99.9%の精度で、請求費目の粒度までデータ化を行うことができる。物流コストの請求書に特化しているからこそ、より高い精度を可能にし、請求処理業務の効率化とリアルタイムな請求データの管理を実現する。

また、物流部は会計情報の粒度でしか支出管理をできず(どの物流企業に合計いくら支払っているかという粒度)、支出データが使える形になっていないため、有意な打ち手を創出することができずにいた。

PortXの支出管理アプリでは、AIを搭載したマスタ管理と読み取り機能により、読み取られたバラバラな請求項目名を管理用の項目名へそれぞれ自動で変換し、適切なデータ管理を行うことで、どの物流企業に何回輸送があり、それぞれの費目でいくら支払っているかといったドリルダウンが可能になる。また、入札段階と請求段階での海上・航空運賃の単価の乖離を物流企業ごとに確認することが可能になる。

さらに、包括的なアプリケーションの利用により、物流支出の最適化・削減を実現する複数のKPIsを常にモニタリングすることが可能だ。
PortX、大手荷主向け物流支出管理プラットフォーム「PortX」製品版を提供開始
PortXを活用することで、大手荷主企業は海上輸送の入札単価を平均して6%削減するほか、航空輸送の入札単価を平均して8%削減、物流支出の予算超過を12%セーブ、業務の均質化と効率化で業務工数を39%削減することができるという。

PortXは今後、出荷情報の管理を行う出荷管理クラウド(PortX WORKS)を年度内に追加開発することで、見積・入札、出荷、請求をワンストップで管理し、見積・入札金額と出荷実績から請求金額の費用検収を実現できるようにするとしている。

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