KCCS、複数台の自動配送ロボットを1人のオペレータが遠隔監視・操作する実証を開始

京セラコミュニケーションシステム株式会社(以下、KCCS)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の「革新的ロボット研究開発基盤構築事業/自動配送ロボットによる配送サービスの実現」において、1人のオペレータが複数台の自動配送ロボットを遠隔監視・操作しながら配送サービスを行う実証実験を開始した。

この実証実験は、北海道石狩市緑苑台東地区の一部エリアの車道で、同時走行する複数台の中速・中型自動配送ロボットを、1人のオペレータが遠隔監視・操作するものだ。

今回の事業に向け、KCCSは、1人のオペレータが複数台の自動配送ロボットを運用できるよう、ロボットの自律走行の開始・停止を行う専用のコントローラや、全体を監視できる表示システムを開発した。

KCCSの遠隔監視室は、ロボットに搭載しているカメラからの映像や位置情報、センサ情報などを一目で把握でき、オペレータは表示システムを利用して走行中の全ロボットの状況を確認することができる。(トップ画)

また、自動配送ロボットがオペレータの遠隔操作無しで継続的な自律走行を行うため、交差点の横断や駐車車両の回避を自動で行う技術が開発された。

京セラコミュニケーションシステム、複数台の自動配送ロボットを1人のオペレータが遠隔監視・操作する実証を開始
車道を走行する自動配送ロボット

さらに、走行するルートやスケジュールを状況に応じて変更できる運行管理システムを開発。地図上で複数台の自動配送ロボットの位置を表示しながら、リアルタイムに監視・運用することが可能だ。

加えて、運送事業者が、自動運転車を活用する検討会の内容を参考に、有資格者が運行管理・指示を行う運用体制を構築した。

今回の実証実験では、地域の配送事業者および小売事業者と共同で自動配送ロボットを走行させ、配送サービスを実施するもので、新たに開発された上記のシステムなどの、実用性の確認を行う。

今後NEDOとKCCSは、同時に複数台の自動配送ロボットを監視できるシステムの機能拡張や、自律走行比率の向上、安心・安全を示すエビデンスの収集を行い、自動配送ロボットの社会実装を目指すとしている。

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