物流の停滞が懸念される「物流2024年問題」に対応するため、2024年2月13日に「貨物自動車運送事業法」の改正案が閣議決定された。
国土交通省の調査によると、7割のトラック運送事業者が下請の事業者を利用している。さらに、中小零細事業者ほど3次請け以上となっている割合が多い傾向となっている。荷主企業から直接貨物の配送を引き受けた物流事業者を「元請事業者」、実際に貨物の配送を行う会社を「実運送事業者」といい、元請事業者から2次請け、3次請けの実運送事業者に配送を委託する「多重下請け構造」が常態化している。
この「多重下請け構造」を解消して実運送事業者が適正な運賃を受け取れるようにし、ドライバーの賃上げ・離職率の低下を図るために「貨物自動車運送事業法」が改正される。改正案のなかでは、元請事業者に実運送事業者の名称などを記載した「実運送体制管理簿」の作成を義務づける旨が記載されている。元請事業者は配送案件を委託する際に、配送に関する情報を一覧にして管理する必要がある。
株式会社Hacobuは、配送案件管理サービス「MOVO Vista」に「実運送体制管理簿」を簡単に出力できる機能を実装した。
MOVO Vistaは、荷主企業・元請事業者・運送事業者の企業間をつなぎ、配送案件の管理を支援する物流DXツールである。一連のコミュニケーションをオンラインで行うことで、契約の書面化・電子化を実現した。都度発生していた電話・FAX・メールでのやりとりが不要になり、業務の効率化が実現できるだけでなく、誰にでも受発注状況がわかる状態となり、属人化を解消する。また、各拠点の輸配送データが蓄積・見える化されるため、拠点横断の配車最適化をはじめとした輸配送最適化を支援する。
実運送体制管理簿は、実運送事業者の名称や配送する貨物の内容や区間などを記載した表で、どの実運送事業者にどのような配送案件を依頼したかを一覧にすることができる。今回、ボタン操作一つで実運送体制管理簿をエクセル出力することが可能となった。また、配送案件やドライバーを登録する際に、荷主企業名や請負階層を登録することができるようになった。実運送体制管理簿に必要な、これらの情報を配送案件依頼のやり取りのなかで登録することが可能となる。
さらに、貨物自動車運送事業法の改正では、荷主企業や物流事業者に対し、運送契約の締結時に、提供する役務の内容やその対価(付帯業務量、燃油サーチャージなどを含む)などについて記載した書面による交付を義務づけている。MOVO Vistaは、配送依頼書をワンクリックで作成できる機能があり、貨物自動車運送事業法の改正案で定められている書面交付にも対応している。
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