大分県北部の宇佐市は、高齢化に伴う買い物難民、ドライバー不足による物資輸送の問題、有事の際の孤立集落の発生などの課題解決に向けて、新たに「道の駅」の建設とドローンを活用したスマート物流の開発を進めている。
その一環として、大分県、宇佐市、株式会社エアロネクスト、株式会社NEXT DELIVERY、セイノーホールディングス株式会社、KDDIスマートドローン株式会社、株式会社電通九州の7者は、2024年2月2日に、レベル3.5飛行での「道の駅を活用したドローン配送」の実証実験を宇佐市で行った。
具体的には、NEXT DELIVERYとKDDIスマートドローンが連携し、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流「SkyHub」の社会実装の検討に向けたものだ。
レベル3.5飛行とは、デジタル技術の活用により補助者や看板の配置といった立入管理措置を撤廃し、無人航空機の操縦ライセンスの保有および保険への加入により道路や鉄道等の横断を伴う飛行を容易とするものだ。
今回の実証実験では、買い物に関する課題と災害時の物資輸送を想定し、エアロネクストが開発した物流専用ドローン「AirTruck」を使用。KDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を用いた機体の遠隔制御・自律飛行を可能とする運航管理システムを活用した。
報道関係者への公開では、東院内地区公民館から両川地区公民館までの片道約7㎞・約15分を食料品を搭載したドローンで配送し、東院内地区公民館から余温泉までの片道約6㎞を、レベル3.5飛行により約14分で救援物資をドローン配送した。
実証実験により、省人化(補助員5名が不要)効率化(看板設置、撤去の作業が不要)が確認されたほか、飛行ルート上の電波状況は途切れることなく、機体カメラによる歩行者等の視認も問題なかったのだという。
今後は、有事の際に活用できる飛行ルートを開通し、「SkyHub」の社会実装に向けた検討を進めていく予定だ。
なおこの実証実験は、大分県から公募された「令和5年度ドローン物流地域実装モデル創出事業委託業務」に採択されたものだ。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。