ピッキングロボットを導入する物流現場では、専門のスキルを持つ人材が必要となる上、ロボットの作業設定に半日~1日、導入施工に1、2か月を要するケースが多くある。
そこでパナソニック コネクト株式会社は、ロボットハンドやロボットアームの制御技術、センシング技術、AI技術を一元制御する「ロボット制御プラットフォーム」を開発した。
同社ではすでに、物流や流通業で商品を倉庫から出荷するピッキング作業を行える「ロボットハンド制御技術」を発表している。
今回発表された「ロボット制御プラットフォーム」は、そのロボット制御技術や市販のロボットアーム、センシングやカメラなど、物流倉庫でピッキングタスクを行う際に必要な多様なロボットシステムを一元制御できるオープンなプラットフォームだ。
また、パナソニック コネクトが開発したロボットの吸着ハンドやグリッパーの制御技術と、カメラでのセンシング技術の組合せを切り替えることで、倉庫において変動する商品へのソフトウェアサプライチェーン対応が可能になる。
ロボットハンド制御技術に関しては、商品を吸着して移動させる吸着技術と、グリッパーで把持した商品の位置や姿勢を変更できるインハンドマニピュレーション技術の2つを開発。これにより、約8割の商品をロボットが担当できると見込んでいるのだという。
センシング技術に関しては、今回開発した学習レス方式により、ピッキング特性が類似する商品形状をカテゴライズすることで、ピッキング対象の3D形状からルールベースでピッキング位置を推定可能、学習不要となった。
これにより、新商品が追加された際に迅速かつ正確にピッキング位置を推定でき、学習方式で要していた学習データ収集や学習時間を削減できる。
さらに、現場作業者が必要な作業を自身で設定可能なユーザーインターフェースが用意されており、ロボットの専門業者を介さずに実行することができる。
現場作業者は、ロボットハンド、ロボットアーム、カメラなどをタブレット上で選択することで、ピッキング作業の設定変更が可能だ。
また、ロボットのピッキング動作を規定するレシピの変更を行うことができ、レシピを再利用することで、ロボットの専門スキルを有するシステム開発者の確保が不要となり、現場作業者にてレイアウト変更などに伴うロボットハンドやアームによるタスクの設定変更を行うことができるのが特徴となっている。
なお、現在技術開発中の「タスク最適化エンジン(仮称)」を通じて、同社の子会社である米Blue Yonderの上位システムとの連携にも対応しているため、上位システムからの入出荷情報や倉庫内のAutonomous Mobile Robot(AMR)と連携することも可能だ。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。