株式会社アイオイ・システムと東芝インフラシステムズ株式会社は、マイクロ波給電技術を適用したデジタルピッキングシステムの開発に成功したと発表した。
アイオイシステムが事業展開するデジタルピッキングシステムは、デジタル表示器を利用した作業支援システムで、工場や物流センターなどで利用されている。作業者は、表示器のランプが光った場所に足を運び、表示された数だけ商品を取り出すことでピッキング作業が行える。
しかし、中核機材として多数設置される表示器の電池切れによるダウンタイムと電池交換にかかる工数は、24時間稼働する物流倉庫において課題となっていた。
そこで両社は、東芝インフラシステムズのマイクロ波給電技術を適用した新たなシステムを開発。マイクロ波給電技術は数メートル離れた多数のデバイスに無線で給電ができる技術で、表示器の充電切れによるダウンタイムをなくすとともに、電池交換を不要とすることができる。
なお「マイクロ波給電」は、単一の送信機から数メートル離れた多数のデバイスに給電できる空間伝送型ワイヤレス電力伝送技術だ。国内では、2022年5月から3つの周波数帯でマイクロ波給電の利用が認められている。両社はこのうち、最も大電力の給電が可能な周波数帯である5.7GHz帯を活用したマイクロ波給電をデジタルピッキングシステムに適用しているとのことだ。
今後両社は、同システムの導入により、ダウンタイムの削減と、表示器のメンテナンスレスを進めるとともに、デジタルピッキングシステムのレイアウトフリー化や表示器の増設・移設の自由度の向上に取り組むとしている。
さらに、今後両社は協業先を広げ、東芝インフラシステムズの「送電機」、アイオイシステムの「受電器」に加え、産業機器や電子部材を取り扱う技術商社の株式会社光アルファクスと、TOPPANデジタル株式会社の「RF技術」および「送受電管理システム」を組み合わせ、工場やプラント、ビルや商業施設、病院などで使用されている様々なデバイスにマイクロ波給電技術を適用していく計画だ。
なお両社は、共同開発したシステムを「国際物流総合展2024」におけるTOPPANグループのブースでデモンストレーション展示するとのことだ。
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