株式会社ZMPは、森ビル株式会社と共同で自動走行する宅配ロボット「CarriRo Delivery(キャリロデリバリー)」の実証実験を本年10月8日より開始する。
ZMPは、物流や製造現場での作業負荷軽減、効率改善を実現するべく2014年に物流支援ロボット「CarriRo(キャリロ)」の開発に着手、2016年の8月より出荷をスタートさせた。
CarriRoの特長の一つはカルガモモードと呼ばれる追従機能だ。付属のビーコンに反応し、作業者や親機となるCarriRoに追従することができる。これにより、作業者の負担なく一度に最大3倍の荷物を運ぶことが可能になるという(過去の記事はこちら)。
また、本年9月には凸版印刷株式会社と共同でCarriRoを活用した無人棚卸ソリューションの取り組みを始めている。自律走行ロボット「RoboCar 1/10」に搭載されたビーコンを検知し、CarriRoが追従する。それにより、作業者の負担なく一度に複数台での無人隊列走行が可能となる。
そして、RFIDリーダを搭載した「CarriRo」が周囲にある商品に貼付されたRFIDを読み取り、読み取った実棚情報を物品管理システムに返すという仕組みだ(過去の記事はこちら)。
そして、今回新たに発表された「CarriRo Delivery(キャリロデリバリー)」は、無人宅配を行うロボットだ。物流業界やフードデリバリー業界の配達員不足という課題解消に加え、買い物弱者と呼ばれる人々の日々の買い物を手助けすることが期待される。
CarriRo Deliveryは宅配ボックスを搭載し、レーザセンサとカメラで周囲環境を360度認識しながら最大時速6 kmで自動走行し、荷物を目的地へ届ける。また遠隔監視、遠隔操作も可能だ。
今回、垂直移動から平面移動まで多様な物流形態を想定した実験が可能な六本木ヒルズを舞台として、実際の街における技術面やサービス面の検証を行う。
具体的には、CarriRo Deliveryを使用し、六本木ヒルズ内の物流センターや店舗等から森タワー内オフィスに、エレベータを使用して書類等の荷物を配達する実験を実施。今後は、物流センターからテレビ朝日の社屋等の六本木ヒルズ内各施設に荷物を運搬する実験もスタートする予定だ。
また将来的には、オフィスワーカーへのコーヒーデリバリーや、居住者への荷物の配達など、サービス利便性向上と共に、物流のラストワンマイル問題の解決を目指す意向だ。
【関連リンク】
・宅配ロボットCarriRo Delivery(キャリロデリバリー)
・ゼットエムピー(ZMP)
・森ビル(Mori Building)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。