楽天株式会社と株式会社ローソンは、本年10月31日より「ローソン南相馬小高店」(福島県南相馬市)を拠点に、専用車両による移動販売とドローンによる商品配送を連携させた試験的な取り組みを開始する。
南相馬市小高区は、東京電力福島第一原発事故の影響による避難指示区域の指定が2016年7月に解除された。住民の帰還が進み、町としての活気を取り戻し始めているものの、日用品や食品など買い物環境の向上は依然優先すべき課題となっている。
「ローソン南相馬小高店」は2016年10月にオープンし、避難指示区域の指定解除以降小高区内で最初に営業を再開したコンビニエンスストアだ。今回の協業では、同店舗を拠点に小高区内で週2回の移動販売を開始する。
また、そのうち週1回限定で移動販売車両では積み込めない温度帯である「からあげクン」をはじめとしたフライドフーズなどの注文を受けた際に、「楽天ドローン」の専用機「天空」で店舗から移動販売先へ配送を行うという(※)。まずは半年間の試験運用を経て検証を行う予定だ。
ローソンは2013年より本格的に移動販売を開始し、地方の中山間地域や都市部の高齢者施設などを中心に、現在28都道府県の約80店舗で実施。移動販売を通じて自宅から外に出て“買い物の楽しみ”や“地域とのつながり”を創出する「地域買い物コミュニティ」の実現に向けて取り組んでいる。
楽天は、2016年5月にドローン配送ソリューションを提供するサービス「楽天ドローン」を開始し、ゴルフ場での実施や地方自治体などとの共同実証実験を行ってきた。本年2月には、南相馬市とドローンを活用した新たな物流システムの構築に関する事項を含めた包括連携協定を締結している。
(※)降水、風速や気温などの気象状況により、運行できない場合がある。
【関連リンク】
・ローソン(Lawson)
・楽天(Rakuten)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。