長瀬産業とゼロボード、国際基準に対応したGHG排出量報告システム構築の実証事業をベトナムで開始

ベトナムは、一昨年に、2050年までのカーボンニュートラルや、国際レベルの炭素市場創出を目指しており、GHG排出量削減の基盤となる国際基準に基づいたGHG算定・報告・検証体制の構築が急務となっている。

そうした中、長瀬産業株式会社と株式会社ゼロボードは、共同で取り組む「ベトナムでの国際標準に対応した温室効果ガス排出量報告オンラインシステム構築実証事業」が、第4回日本貿易振興機構(以下、ジェトロ)「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」に採択されたことを発表した。

この事業は、令和4年度補正予算において措置された経済産業省から日ASEAN経済産業協力委員会(AMEICC)への拠出金に基づき実施するもので、事業実施事務局としてジェトロが事業の公募・採択・事業実施支援などを行うものだ。

この事業でゼロボードは、同社が提供するGHG排出量算定・可視化クラウドサービス「zeroboard(ゼロボード)」の機能を、ベトナム国内で現在構築中のGHG排出量オンライン報告システムに連携させる。

「zeroboard」は、ISO-14064-3に基づいてGHG算定の妥当性が保証されており、かつ国際的な技術仕様「Pathfinder Network」に基づいたカーボンフットプリントデータ交換が可能で、WBCSD主催のPACTに準拠したソリューションプロバイダとして認定されている。

また、ベトナムでの事業化に向け、ベトナム語対応およびベトナムの排出原単位データベースを実装予定だ。

まずは、長瀬産業のベトナム現地法人であるNagase Vietnam Co.,Ltdで導入し、その顧客を中心にサービスを展開し、同国のニーズに合ったオンライン報告システムの開発・普及に取り組む。

長瀬産業は、ベトナムで化学品、樹脂製品、食品素材などを中心に事業を拡大しており、環境関連でもゼロボードとの協業で培ってきた脱炭素経営支援のノウハウを活用した事業を展開している。

2022年には、ベトナムの物流業界におけるGHG排出量削減の課題解決に向けた実証事業を開始するなど、同国のカーボンニュートラル支援の取り組みを拡大している。

今回の事業では、ベトナム現地で各企業へのシステム導入・活用による脱炭素経営の支援に取り組む。

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