株式会社日立製作所(以下、日立)は、株式会社野村総合研究所(以下、NRI)、EIZO株式会社(以下、EIZO)と共同で、持続可能な開発のための世界経済人会議「WBCSD」の「Partnership for Carbon Transparency」(以下、PACT)実証実験を実施・完了した。
この実証は、NRIが、サプライヤーとシステムを通じてCO2排出量のデータのやり取りを行うリード企業として、日立とEIZOはサプライヤーとして、実測値に基づく製品製造におけるCO2排出量のデータ連携を行ったものだ。

具体的には、NRIが「NRI-CTS」を用いてCO2排出量の全体取り纏めを行う一方で、サプライヤーである日立とEIZOが実測値に基づくCO2排出量の算定を個別に行い、両社からNRIに対するデータ連携を行った。
日立は、上記データ連携にあたって「EcoAssist-Pro/LCA」を活用し、自社のストレージ製品について、部品・材料調達過程で発生したCO2排出量、さらに自社工場のエネルギー消費量の実測値をもちいてストレージの製品製造過程におけるCO2排出量を算定した。
この算定結果を、Pathfinder NetworkのAPIを介して、製品の出荷先であるNRIの「NRI-CTS」に提供することにより、異なるソリューション間でのデータ連携を行った。
その結果、NRIが開発した温室効果ガスの排出を追跡するカーボントレーシングシステム「NRI-CTS」と、日立のサプライチェーンにおける脱炭素の推進を支援するソリューション「EcoAssist-Pro/LCA」という、異なるシステム・ソリューション間でのCO2排出量のデータ連携に成功した。
なお、今回の実証参画に先立ち、NRIと「Connectathon」と呼ばれる相互接続テストを完了し、日立の「EcoAssist-Pro/LCA」は、Pathfinder Networkに準拠したソリューションとして、WBCSDのPACT のOnline Catalogに、Conformant Solutionsとして掲載された。
あわせて、EIZOは「NRI-CTS」を利用し、自社工場のエネルギー消費量実測値を用いて、デスクトップモニタの製品カーボンフットプリントの算定とデータ連携を実施した。
今回の実証の詳細は、2023年9月17日から24日まで、米国・ニューヨークにて開催される気候変動イベント「Climate Week NYC」の関連イベント「Scope 3 Summit – From uncertainty to imPACT」の中で、WBCSDから参加者への報告が行われる。
今後日立は、今回の実証を通じて得られたノウハウをもとに、グローバルなサプライチェーンデータベースへの接続ならびに、データ連携の実証にも参画していくとともに、他のソリューション提供企業との連携や官民協力にも注力していくとしている。
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