株式会社シンク・ネイチャーは、生物多様性再生を最大化する植栽樹種の最適な組み合わせ結果を出力する「植栽樹種選択システム」を提供するサービスを開始した。
「植栽樹種選択システム」は、野生生物の空間分布や生物種の間の食物網などの繋がりの生物多様性可視化データプラットフォームが基盤になっている。宅地や不動産物件などの評価したい場所において、鳥と蝶を中心に、在来生物種の生息場所の再生に最大限寄与することができる植栽樹木の組合せを最適化計算し、生物多様性の再生効果を算定する。
この生物多様性可視化技術は、シンク・ネイチャーが1億点以上の世界中の生物観測データを基に、約30万種以上の生物の分布データを作成した。それらの種分布データと様々な環境情報を統合して、種ごとに種分布モデリングを行い、世界を網羅した種レベルの生物多様性ビッグデータを構築している。
また、シンク・ネイチャーでは樹木種ごとに、果実や種子、花蜜などを利用する鳥や蝶の種類を網羅的にまとめている。「植栽樹種選択システム」では、評価したい地域における半径5km以内に自然分布する種を地域在来種と判定し、鳥・蝶の種ごとの生息域を踏まえ、樹木を利用する可能性の高い種を抽出する。
これら樹木の地域在来種数、呼び込める鳥・蝶の種数から、生物多様性の再生効果を数値化・可視化している。
さらに「植栽樹種選択システム」では、植栽樹木のデータベース変更やフィルタリング機能の追加といった、利用者ごとのカスタマイズも可能だ。
活用事例としては、不動産企業や住宅ハウスメーカにおいて、一般市民である顧客が住宅を建設する際に、その建設予定地における生物多様性再生の観点から最適な樹種の組合せを確認・評価することができる。なお、住宅ハウスメーカにおける事例は、2024年6月より、積水ハウス株式会社と試験運用を進めている段階だ。
また、住宅ハウスメーカだけではなく、商業施設における緑化や公園での植栽計画といった、植樹・植栽を行う企業や団体も活用できるシステムだとしている。
今後は、Webサービス化することも視野に検討を進めているとのことだ。
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