J-クレジット制度は、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用によるCO2などの排出量削減、適切な森林管理によるCO2吸収量をクレジットとして国が認証する制度だ。
森林クレジットの創出量は、再エネ・省エネ由来の削減系クレジットの約10%に留まっており、創出された森林クレジットのうち、実際にオフセットなどの目的で償却された量についても、削減系クレジットの5%程度となっている。
こうした中、住友林業株式会社とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、「森林価値創造プラットフォーム」(以下、森かち)を2024年8月27日より提供する。
「森かち」は、森林由来J-クレジット(以下、森林クレジット)の創出・審査・取引を支援するプラットフォームだ。
森林クレジットの創出者・審査機関・購入者それぞれに対して地理情報システム(以下、GIS)の機能を提供することで、発行プロセスの効率化とクレジットの信頼性向上を実現する。
「森かち」は、クラウドサービスの「森かち」システムと、コンサルティングサービスの「クレジット創出コンサルティングサービス」にて構成されている。
「森かち」システムでは、創出・購入を検討するユーザ向けの「森かち」のPR用WEBサイトの提供や、創出者と審査機関を対象としたクレジット発行支援機能、創出者が情報発信できるクレジット取引サービスを提供する。
「クレジット創出コンサルティングサービス」では、クレジット創出に必要な地図データのデジタル化や対象となる森林の各種資料を突合するデータ整備支援サービスや、「森かち」システムのクレジット発行支援機能を活用した申請書類の作成、審査の支援などを行うクレジット申請支援サービスを提供する。
「森かち」を活用することで、デジタル化した資料をクレジット発行対象の森林と紐づけて地図上で一括管理し、創出者・審査機関の負担を軽減する。
今後両社は、森林クレジット発行量の簡易シミュレーションや生成AIを活用した販売ページの作成支援など、プラットフォームの機能を拡充していくとしている。
また、自治体や金融機関などのパートナーとも連携し、「森かち」の提供価値を拡大するほか、創出者・購入者を支援するコンサルティング企業との提携も進めていく計画だ。
将来的には、CO2吸収と同様に森林が提供する様々な公益的価値のクレジット化も視野に、サービスを拡充する予定だ。
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