ボッシュ・センサーテック(以下、ボッシュ)は、スマートグラス向けのオプティカル Light Drive システムを発表した。Light Drive モジュールは、MEMS ミラー、光学部品、センサー、オンボード処理を搭載したシングルソース、オールインワンのテクノロジースタックである。
網膜に画像を直接投影することで、ユーザーにプライバシーを確保しながら、直射日光の下でもクリアな画像を表示することができるとともに、昼夜を問わず着用することができる。現在開発中の統合パッケージを利用することで、ウェーブガイドシステムのパフォーマンスの最適化も可能とする。
ディスプレイや統合型カメラは不要で、製品デザイナーが抱えている、従来の大きく扱いにくいといったスマートグラスの課題にも貢献する。また、ターンキーシステムによって、小型化、軽量化したスマートグラスのデザインが可能になる。
さらに、同システムは必要最小限のフォーマットで必要なときに必要な情報を表示し、ハンズフリーで利用することで、デジタル眼精疲労の軽減にもつながる。ナビ、電話、アラームやカレンダーの通知、WhatsApp や WeChat などのメッセージアプリにも活用です。ToDoリストや買い物リストなど、日常的なメモアプリの利便性にも貢献する。
従来、このようなアプリはスマートフォンやスマートウォッチのように物理的なディスプレイを備えたデバイスのみで主に使用されてきた。スマートグラスは、メッセージを頻繁に確認する必要をなくし、ハンズフリーや透過型ヘッドアップでのナビゲーションによって運転時のドライバーの安全性を向上する。
Light Drive システムは既存の製品と比較して奥行が30%削減されている。サイズは約45~75mm x 5~10mm x 8mmで、重さは10g以下だ。Bosch Smartglasses Light Drive 内部において、マイクロ・エレクトロメカニカル・システム(MEMS)を実装したコリメート光スキャナーが、スマートグラスのレンズに埋め込まれたホログラフィック光学素子(以下、HOE)をスキャンし、HOEが光線を目の網膜上に投影することで、画像を映し出すことができる。
このテクノロジーにより、ペアリングされたスマートフォンなどのモバイルデバイスから、様々なデータをハンズフリーで安全に、かつ快適な位置にオーバーレイ表示することが可能になる。投影された画像は明るさを調整できるため、直射日光の下でもくっきりと明るく見え、プライバシーも確保できる。
また、同テクノロジーは曲面レンズや矯正レンズにも対応しており、度付きメガネを利用しているユーザーでも利用できる。従来のディスプレイ技術では、システムの電源を切ったときに迷光と呼ばれるかすみや虹のような光が発生していたが、同テクノロジーは迷光を軽減し、適切な光透過性を実現する。これにより、不要な反射をなくすことができる。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。