ウェアラブルデバイスと関連ソフトウエアの設計・開発を行うウエストユニティス株式会社は、LTE通信機能を内蔵した日本製スマートグラス「InfoLinker3」および、同スマートグラスを活用した遠隔作業支援や、作業手順の確認と作業記録が行える新クラウドサービス「LinkerWorks」を2021年7月より販売開始する。
InfoLinker3は、データ処理部及びバッテリー部をヘッドマウントユニットから切り離し、ネックバンドユニットとして収納する構成とすることで、一般のスマートグラスで課題とされるヘッドマウント部の重量軽減を図った。
これにより、長時間装着時の疲れを軽減させると共に、ネックバンド部では重量の重いモジュールを集約し、高性能CPUによるアプリケーション実行環境と電池セル5,000mAhの大容量バッテリー搭載を実現、長時間での現場作業の利用を可能にした。
さらに、装着者の声による音声コマンド操作に対応し、作業中のハンズフリー操作が可能であるほか、オプションの骨伝導ヘッドホンにより、耳を塞ぐことなく騒音下でも音声を聞くことが可能だ。
他方、LinkerWorksは、管理者が操作するパソコンと作業者が装着するInfoLinker3とを、ネットワークを介してLinkerWorksクラウドサーバに接続し、主に遠隔支援を行う「作業サポート」機能と、作業手順の確認や作業記録、履歴管理を行う「作業ナビ」機能を提供するクラウドサービスである。
作業サポート機能
最大9台までのInfoLinker3とパソコンの組み合わせをネットワークで接続し、最高フルHD(1920×1080)画質の映像でビデオ通話を行うことができる機能だ。一般的なWeb会議システムとは異なり、スマートグラスからのカメラ映像は、参加者の表情を伝えるのではなく、現場の状況を伝えるために利用されるため、InfoLinker3からのカメラ映像がより高画質で管理者のパソコンに配信されるよう、システム全体を最適化した。
同機能を利用することで、これまで管理者が現地まで赴いて目視で確認していた作業を、現地に移動することなく、現地にいる作業者からのビデオ通話映像のみで状況を把握できる「遠隔臨場」に活用でき、出張費や移動時間の削減に寄与する。さらに、コロナ禍での現場と自宅を繋ぐリモートワークにも役立つ。
また、スマートグラスを活かした作業支援機能として、パソコン側の管理者画面の操作のみでInfoLinker3をリモート制御し、写真や動画の撮影を行うことが可能だ。これにより、現場の作業者はInfoLinker3の最小限の操作のみを行い、撮影作業は遠隔で管理者が行うことにより、作業者側への負担をかけることなくInfoLinker3を導入することができる。
作業ナビ機能
InfoLinker3のディスプレイに単位作業を順次表示しながら、音声コマンドによるハンズフリー操作にて作業を進めることで、作業の平準化や手順ミスの防止を図り、さらに作業中に撮影した写真や作業結果をデジタル情報として一括管理することができる機能である。
従来からの紙の帳票やタブレット等を用いたデジタル帳票では、作業手順の確認や、記録をつける際に両手を使用するため、作業を中断してから確認や記録を行う必要があったが、同機能では、ウェアラブルデバイスの利点を生かし、ハンズフリーで作業手順の確認や音声による操作を可能とすることで、作業を中断することなく手順の確認や記録を残すことができる。
また、作業記録のすべてをLinkerWorksが提供するクラウドサーバーへ送信・保存するため、現場での記録をアナログからデジタルへとシフトさせ、遠隔地からの作業状況の確認や日々の作業履歴から作業時間や品質を確認することで、作業改善のPDCAサイクルを回すことができる。
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