株式会社イルは、認知症による徘徊事故防止を目的としたインソール型GPSデバイスの機能実証評価を、2024年8月24日より開始し、10月4日から第3フェーズに移行すいこうすると発表した。
認知症の中核症状には、自分の名前や年齢、住所、日時や所有物などを把握できなくなってしまう失見当識障害という症状がある。失見当識障害の症状が出てしまうと、認知できないものに対して不安を覚え忌避してしまう傾向があり、普段なら持ち歩くはずのGPS機能の付いた携帯電話や、GPSグッズの入った鞄などを所持せずに出歩いてしまうケースも多い。
そこで、インソール型GPSデバイスを活用し、靴の中敷きとして装着することで、認知症患者が従来のGPSデバイスを持ち歩かないという問題に対応している。
このデバイスの実証評価では、2024年8月24日~10月の期間で段階的に4つのフェーズに分けて実施しており、実際に特別養護老人ホーム「平田豊生苑」の入居者に提供している。
第1フェーズでは、初期設計における屋内での実行性能、装着性、安全性、耐久性の確認し、第2フェーズでは、デバイスの小型化を目的とした部品交換と機能性を確認する。
第3フェーズでは、第1・第2フェーズのフィードバックを反映したデバイスおよびアプリケーションの改良し、第4フェーズでは、最終的な製品化に向けた性能評価および調整を予定しているとのことだ。
現在、第3フェーズに向けた準備をしており、第1・第2フェーズのフィードバックを基にデバイスの改良を行った後、最終的な製品化を目指し、性能評価と調整を行う第4フェーズを10月中に実施予定だ。
その後は、このデバイスのクラウドファンディングを2024年11月より開始し、2025年初頭に正式リリースするとしている。
今後は、AIによる位置予測機能や環境給電による自動充電など、さらなる機能拡張も視野に入れているとのことだ。
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