TIS株式会社は、web3技術のトークンやNFTを活用して、地域の森林資源の循環利用を活性化するプログラム「WOOD DREAM DECK(ウッド ドリーム デッキ)」を立ち上げた。
なお、プログラムの展示を代官山蔦屋書店にて2023年3月21日に実施するとともに、埼玉県横瀬町にてプログラムの検証を開始することを発表した。
「WOOD DREAM DECK」は、「木を使ってしたいこと」を持つ人の支援を通して、地域の森林資源の価値を高めて循環利用を促進するプログラムだ。
具体的には、未利用間伐材や遊休森林などの森林資源活用に必要な地域の山主、製材業者、家具職人などと、森林に関わる地域内外の様々なプロジェクトや個人を繋げるファンベースコミュニティを提供する。
「木を使ってしたいこと」のアイデアを出し合い、それを技術的に実現する職人や林業関係者、サポートや金銭的支援をしてくれる地域内外の人をつなげるというものだ。

価値交換の基盤には、中央集権的なプラットフォームに依存しない、分散型web3を活用したトークンを使用する。
森林関連のトークンを発行し流通させることで、様々なインセンティブを与え、地域内外の人がプロジェクトに参加するきっかけを生み出し、コミュニティを活性化させる。

また、地域の木材を使った製品や体験にNFTを活用して付加価値をつけることで、木の需要を生み出し、末端価格を高める仕組みづくりを目指す。
日本の森林にある立木は、海外からの輸入材の価格競争などに影響を受け非常に安値で取引されており、山主が立木を売っても植樹や再造林をすると赤字になるため、伐採後は3~4割程度しか再造林されていない。
そこで、NFTで木の情報やメッセージを記録したり、利用・所有の権利やイベントへの参加資格を付与したりすることで、追加で得た利益を植樹や再造林の費用に還元できるようにする。

代官山蔦屋書店にて開催される、プログラムの展示では、プログラムに関わる書籍の展示・販売に加え、来店者の「したいこと」を書き込むことができるボードの掲出などを実施する。
また、店頭のみではなく、「WOOD DREAM DECK」の意義を広く伝えるティザーサイトとコンセプトムービーも、6月5日に公式サイトにて予定だ。
すでにこのプログラムは、森林が町の80%以上を占める横瀬町の、官民連携プロジェクト「よこらぼ」に採択されている。
このプロジェクトでは、コミュニティ内で地域産木材の活用アイデアを出してくれた人や、山林の整備やアクティビティに参加・協力してくれた人を対象に、作成したトークンを付与し、活動参加を促す取り組みを実施する。
また、横瀬町の木材で作る製品や施設利用、森林でのレジャー体験などに対し、NFTを販売券や利用券、予約券として発行する取り組みを、試験的に実施する。
その第一弾として、地域に住むクリエイターと地域内外の人たちで、地域の間伐材を使った合板でサウナをつくるプロジェクを開始する予定だ。
今後は、プログラムによる環境保全効果を明確にしていき、カーボンクレジットや生物多様性クレジットの生成によるビジネスモデルも検討していくという。
最終的には、他の自治体への展開も進め、パートナーと共創関係を構築することを目指すとしている。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。