近年、訪日観光客が増加しており、政府もこの機に地方に多くの訪日観光客を呼び込むことで地方創生に注力する中、多くの地方では観光地へのアクセスに時間がかかる、そもそも運行本数が少ない、などといった観光客の不満の声も挙がっており、快適に周遊するための二次交通の充実が課題となっている。和歌山県有田市でもこうした二次交通の課題が生じており、観光客にとって快適な周遊の手段が求められている。
そこで、シェアサイクルの仕組みを活用した地域の課題解決、持続的発展を促すことを目的に、有田市、株式会社オーシャンブルースマート、NECソリューションイノベータ株式会社および和歌山県自転車軽自動車商業協同組合有田支部は連携し、市民や来訪者の利便性向上を目指し取り組みを進めていくことについて連携協定を締結した。同協定を通じて4者が取り組む内容は以下の通り。
- シェアサイクルの有田市内への導入に関する事項
- シェアサイクルの活用促進及び利便性向上に関する事項
- シェアサイクル事業で得たデータ情報の共有に関する事項
- その他目的を達成するために必要と認められる事項
同協定により、地方創生、特に現在取り組みを進めている有田市の5つの地域資源を磨き上げていく「西海岸エリア5つ星プロジェクト」をはじめとした、複数の地域資源の連携強化による魅力向上および新たな人の流れの創出の実現を目指す。また、観光客だけでなく市民の日常の足としてもシェアサイクルを活用することで、公共交通機関を補完する機能としても期待されている。
また、4者間協定の初動の取り組みとして、シェアサイクルの導入に関する実証実験を実施する。実証実験は、オーシャンブルースマートが提供するシェアサイクルサービス「PiPPA(ピッパ)」(※)を活用して和歌山県自転車軽自動車商業協同組合有田支部が貸し出す自転車の配車および修理などを市内10ヶ所(数は現時点の予定)に設けた駐輪ポートで行う。
合わせて、NECソリューションイノベータは、シェアサイクルの利用データを分析し、得られた結果から、観光政策に寄与するデータを有田市に提供する。実証期間は、2019年8月27日~2022年8月26日を予定している。
※ 従来のレンタルサイクルのように「決まった所から借りて、決まった所に返す」仕組みではなく、IoTと専用アプリを用いて専用ポート間で自由に自転車を乗り降りすることができるシェアサイクルサービス。
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