ライフサイエンス研究では、実験の再現性が十分に得られないケースや、実験データの信憑性から技術トランスファーがうまくいかない等の問題が発生することがあり、これにより研究の非効率化だけでなく、研究成果自体に対する疑義につながっている面があった。
このほど、株式会社NTTデータは、株式会社iPSポータル、アース環境サービス株式会社、オリンパス株式会社、株式会社片岡製作所、株式会社島津製作所、大成建設株式会社、株式会社日立産機システムの7社と共同で、iPS細胞を始めとした、細胞を取り扱うラボの提供を目的に、次世代ラボ開発のコンソーシアム「COTO LABOコンソーシアム」を設立した。
同コンソーシアムは、創薬・再生医療等のライフサイエンス分野におけるデータ信頼性担保の重要性に賛同する8社が、業界の枠を超えて結集した共同開発体である。このライフサイエンス分野における研究活動の動作や分析結果などをデジタル化して一元管理、活用することで、細胞培養など実験の再現性や効率性の向上を目指す。
同コンソーシアムで開発する次世代ラボは、主として基礎/探索研究レベルの実験のデータ統合および管理を目的としたラボだ。具体的な開発内容は、各参画企業が共同で、実験操作の正確性/トレーサビリティーを評価可能な新規システムの開発、同システムおよび新たな環境基準を組み込んだモデルラボの構築に取り組む。なお、次世代ラボの開発は、iPSポータルの顧問である大阪大学大学院工学研究科の紀ノ岡正博教授のアドバイスを受け、進めている。
同取り組みにおいて、NTTデータは、これまで創薬・ヘルスケア分野を含め多様な領域で培った、IoTやAI、アナリティクスによるデータ活用からデータ分析基盤の構築・運用技術をサポートするサービスの強みを用いた、IoTプラットフォーム(実験/分析機器等からの情報収集/統合/活用するプラットフォーム)を提供する。
具体的には実験の手技取得機器、分析機器、環境計測機器等から、データを収集/統合し、AI、アナリティクスを活用することで、実験計画・実施、結果の比較・分析の高度化を可能にするプラットフォームを提供する。
今後、2019年中にシステムを開発し、新たなラボ設置を目指す。さらに、モデルラボの設置および想定顧客によるモデルラボの価値検証を実施することで、次世代ラボの社会実装に向けた準備を進めていくとした。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。