株式会社KandaQuantumは、自然言語処理AI「ChatGPT」と協業する形でシステムを構築し、年間100万件の人材マッチングに耐えるシステムの実運用を開始した。
なお、このシステムは、KandaQuantumのビジネスマッチングソリューションである「CalqMatch」として、法人向けに提供される予定だ。
このシステムでは、AIによるマッチングアルゴリズムを使用しており、「最大利益」「最大効率」「キックオフ時期」「リモート可否」「スキルマッチ」「人材の時間帯制限」「人材の稼働時間上限制限」「コスト制限」「地理的制限」「面談無断辞退率」「仲介担当者のレスの早さ」などが考慮されながら、マッチング結果を生成する。
また、システム開発自体にChatGPTとの対話に基づく出力コードが多く適用されている。
今回ChatGPTと実験的な協業を行う形で開発を進め、通常であれば1ヶ月かかる開発を1週間の期間で開発完了させ、GoogleのクラウドサービスであるGCP上で実運用に適用した。
これにより、年間換算で100万件(原理上1日上限5000件の求人・案件テキスト情報からのシステムマッチが可能)の案件と人材の求人票、履歴書情報収集、双方のマッチングが可能であることが示された。
「CalqMatch」は、KandaQuantumのデータ分析ダッシュボード機能である「CalqReport」と接続し、案件と人材の要件を分析。適合する候補者を提供することを予定している。
また、マッチング結果に基づいて人材と案件のトラッキングを行い、各ステージの情報を完全かつ効率的に管理し、AIが自己学習する仕組み(MLOps)も構築中だという。
KandaQuantumは、ChatGPTを活用したシステム開発に関して、一般的なドキュメント作成と同様に新たにシステムコードを出力する0,1の提案には優れる一方、システムを完全なものにする上では、システム全体の横断情報が必要となり、情報量が多すぎるため、ChatGPTとの協業において難点が生じることが判明したとしている。
こうした課題点もある一方、これまで学習コストの高さから不可能とされてきたビジネスサイドからのプログラム開発も、ChatGPTとの対話を通して実現できる可能性があることに加え、非エンジニアをエンジニアとする教育コストが圧倒的に下がることが期待されている。
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