中央電力株式会社は、自社サービスであるマンション一括受電サービスおよび、電力小売事業のカスタマーセンターを運営している。
また、カスタマーサポートを含む運用業務や保守業務を、他の電力小売・一括受電サービス企業や大手LPガス関連企業など10社から受託している。
そうした中、中央電力は、生成AI「OpenAI API」を活用した、カスタマーセンターの業務改善と応対品質向上を図る実証実験を開始したことを発表した。
実証の第一段階では、応対内容の要約、第二段階では、顧客の感情や過去の応対履歴との類似性の分析、第三段階では、FAQの生成を生成AIが実施される。(トップ画参照)
第一段階では、テキスト化した応対内容の要約を行う。
カスタマーセンターのオペレーターには、応対終了後に応対履歴を登録する業務があるが、これまでは平均5分程度かかっており、また、応対履歴を登録する詳細度合いはオペレーターによってばらつきが見られていた。
そこで、AI要約を用いることで、オペレーターの応対履歴登録にかかる時間の短縮と、応対履歴の詳細度合いを標準化できることが期待されている。
第二段階では、応対内容から顧客の感情や過去の応対履歴との類似性を分析する。その分析結果をもとに、顧客が言葉には出さない潜在的ニーズへの気づきを得るとしている。
第三段階では、これまでの応対履歴を学習した生成AIがFAQを生成し、オペレーターの応対サポートを行う。
具体的には、電話応対中のオペレーターが問い合わせ内容を打ち込むと、生成AIが適切な回答スクリプトを提示してくれる。
なお、生成AI活用の本稼働にあたっては、同社サービスのカスタマーセンターに加え、運用業務を受託している他の電力・ガス関連企業10社のカスタマーセンターでも採用していきたいとしている。
開発担当者である、執行役員兼情報システム部本部長 伊与田睦氏は、「AIを、戦略的なツールと位置付けて実証を進めています。大規模言語モデルや生成AIを用いて、業務効率や顧客体験の向上、さらには新たなビジネスの機会を探求していきます。」と述べている。
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