「協創」でつくるIoTビジネス、第3回IoTパートナーコミュニティ レポート3 ―ウェアラブル活用・オフィスIoT・災害対策

【オフィスIoT】海の家でIoTデータ収集のテストベッドを構築

「オフィスIoT WG」では今期、「海の家」(※)の屋内/屋外にセンサーを張り巡らせ、IoTデータ収集のテストベッド構築を行った(20社、33名で活動)。

オフィスIoTなのに海の家、というのは大変ユニークな取り組みだが、これは前回のレポートの「FoodTech WG」とも関わるテーマであり、複数のWGが互いに連携しながら「課題解決」のために柔軟に活動を進めていく点はIoTコミュニティフォーラムの特徴でもある。なお、当然、海の家で構築したテストベッドは汎用的なしくみとして、オフィスなどの用途へも展開されていくことが想定されている。

第3回IoTパートナーコミュニティ
海の家の厨房内にしかけられたセンサー

今回の取り組みでは、海の家の「ありとあらゆるところ」にセンサーを設置。温湿度がわかる環境センサー(オムロン株式会社が提供)を厨房などに設置するだけでなく、10名の店舗スタッフに「MEDiTAG」(ホシデン株式会社が提供)をつけ、位置情報やストレス、血圧、転倒検知など様々なヒトのデータを取得した。それらの環境やヒトのデータに、店舗の売上データをかけあわせ、分析も実施。実証実験は今年の8月4日に行われた。

「現場」では予期せぬ様々なことが起こりうる。センサーを設置すればすぐにデータを取得し、分析できると思ったら大間違いだ。そこで、今回のテストベッドでは「ありとあらゆるところ」に設置したセンサーの位置や条件について詳細な検証を実施。そこで得られた知見について、同WGのリーダーを務めるM-SOLUTIONS株式会社の植草学氏(冒頭写真・中央)が一つ一つ解説した。

たとえば、厨房のフライヤーの周辺は明らかに人の体感温度は高い。しかし、当初に設置したセンサーのデータを見ると、予想よりも低い温度だった。原因を調べると、その位置だとフライヤーで発生する熱が棚で遮蔽されるとともに、通気性がよいため温度が上がらないことがわかった。そこで、ヒトの体感温度に近い位置にセンサーを設置しなおすなどの対応がなされた。こうした細かなノウハウがIoTデータ収集においては重要となるのだ。

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フライヤーに設置するセンサーの調整について

また、「MEDiTAG」を使ったストレスの分析については、「興味深いことに、1日の営業で2回ストレスが高くなるタイミングがスタッフに共通してあることがわかった。また、位置情報などのデータとも組み合わせ、ストレスが高くなる位置やタイミングの分析が行えることもわかり、このノウハウはオフィスなどにも活かせる」と植草氏は述べた。

なお、同WGでは以上の知見を実ビジネスへと幅広く展開するため、定期的にセミナーを実施。「協創」の取り組みを積極的に進めている。

※「SkyDream Shonan Beach Lounge」(株式会社セカンドファクトリーが運営)

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