IVI、5G動向など先進研究分科会の成果を報告 スマートファクトリーJapan2019レポート

ドイツの製造業界が進める5G導入

続いて「5G先進活用研究分科会」より、産業における5G活用の動向について報告があった。

IVI、5G動向など先進研究分科会の成果を報告 スマートファクトリーJapan2019レポート
ハノーバーメッセでの5G動向について報告を行う日立産機システム・苗村万紀子氏

日立産機システムの苗村万紀子氏は、まず19年4月にドイツで行われたハノーバーメッセにおいて安全管理システムへの5G導入検討例や、5Gによる滑らかなロボット制御の活用例など、5G技術が盛り上がりを見せていることを紹介した。

日立産機システム・苗村氏によればドイツでは特に自動車会社が「5G ACIA」(ドイツ電機電子工業連盟が通信業界との議論の場として設けた団体)設立の音頭を取るなど、5G導入の中心となっているという。

ドイツでも労働力不足は製造業にとって重要な問題。人手不足を解消し、サスティナブルな社会(持続可能な社会、成長し続けることができる社会)を作り上げるためには、作業の自動化やロボット制御といった工場のスマート化は課題である。

そうしたスマート化を実現するための手段として、ドイツの製造業の中でも自動車産業が5Gを重要視しているのでは、と苗村氏は語った。

5Gには超高速(eMBB)、多数同時接続(mMTC)、超低遅延(URLLC)という3つの特徴がある。日立産機システム・苗村氏はこのうちの低遅延に着目し、Motion controlやMobile robotなどドイツで検討されている利用例を紹介した。

報告内では「5G ACIA」がウェブ上で公開している、スマートファクトリーにおける5G利用の想定シナリオについても解説があった。

このうち日立産機システム・苗村氏は、シーケンサー(PLC)の一部が基地局の中のアプリケーションとして実装されることを想定している点に着目。これについては自動車会社から見た場合、それぞれのコントローラーのソフトウェアをアップデートする手間が省けるなどのメリットを考えているのではないか、との意見を苗村氏は述べた。

さらに5Gの基地局について、企業・工場専用のプライベート基地局、ローカル基地局の登場も想定されていることも紹介された。

最後に日立産機システム・苗村氏は「産業用5Gは技術革新である同時に、ビジネススキーム革新。日本でもIVIやJEMAなどの団体を中心にビジネスモデルなどの議論を進むことを期待する」と総括した。

次ページは、「センサーデータ3つの先行事例