センサーデータ3つの先行事例
3番目は「センサーデータ活用技術研究分科会」より、センサーデータ技術の最前線について報告が行われた。
報告を担当した東芝の松岡康男氏は、センサーデータにおけるユースケースの利活用について3つの事例を紹介した。
1つは業務シナリオ事例においても発表があった、ミスズ工業による金属加工の予知保全・品質管理におけるセンサーデータ活用例。プレス加工時の打痕不良を取り除くために、正常パンチと欠損パンチでプレス時の振動の差異を見出し、欠損を検知するというものだ。
2つ目は車部品用の鋼材の鍛圧機械・切断機を扱うケイエステックにおいてエッジコンピュータを作成し、データを収集した事例。収集したデータについては、切断機の刃物寿命管理、遠隔診断サービスといった予知保全に活用する。
3つ目はボンディング装置を製造する新川の事例。取り付けられた200個のセンサーのうち、最も品質に関わる8つのセンサーからデータを収集し、ボンダー性能を司るVレール故障(フレーキング)の予兆管理を行うというものだ。
センサーデータ活用技術研究分科会では2019年度から2021年度にかけて、新エネルギー・産業技術総合開発機構と「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発推進事業」を進めていくという。
この事業は自動走行・モビリティサービス、ものづくり・ロボティクス、バイオ・素材、プラント・インフラ保安、スマートライフの5分野を中心に、業界横断型AIシステムの開発および業界共用データ基盤の開発を行い、AI・データエコシステムの事例を創出することを目的としている。
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1986年千葉県生まれ。出版関連会社勤務の後、フリーランスのライターを経て「IoTNEWS」編集部所属。現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。