ソラコムのLoRaサービスを活用した具体事例 ーSORACOM LoRaWAN Conference 2017レポート

牛の行動管理をするIoT 株式会社ファームノート デバイス開発マネージャー 阿部 剛大 氏

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

ファームノートは、世界の農業の頭脳となるということを目指している企業だ。牛の管理をする際、これまではノートやコマンドインタフェースの使いづらいシステムしかなかった。

そこで、Farmnoteというサービスと、Farmnote Colorというデバイスを既にリリースしており、牛の活動量などを取得することに成功している。

今回、AI x IoT x Agricultureの取り組みで、ソラコムと提携し、LoRaWANを活用して牛の動線管理や行動管理を行ったということだ。

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017
ゲートウェイ
センサーがついた牛
センサーがついた牛

結果、個体ごとの移動距離や牧草地、日陰を好むなどの差がわかるようになったということだ。

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

関連リンク:ファームノート

トイレのIoT ウイングアーク1st株式会社 営業本部 クラウド営業統括部 アライアンスディレクター 武市 真拓 氏

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

IoTの可視化ツールとして様々な場面で登場するウィングアーク1stのMotion Boardだが、今回は、同社が入居するオフィスビルのトイレの空き状態を監視する実験を行ったということだ。

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

具体的には、トイレにレンジャーシステム製のトイレ監視デバイスを配置し、トイレの開閉状態をゲートウェイを経由してクラウドにアップロードする。そして状態をMotion Boardで監視するという構成だ。

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

実際、ビルに配置したゲートウェイは1つでまかなえており、通常窓際に置いた方が通信が通りそうなところだが、このビルのトイレが内側にあったため内側に置いてみたところ通信が通ったのだという。ビルの配管などを通してビル内の通信ができたのかもしれないということだ。

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017
トイレセンサーとゲートウェイ
ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017
Motion Boardでの監視状況

武市氏は、「MotionBoardを使うことで、数時間で実用的な分析監視画面が実装できる」と述べた。

関連リンク:ウィングアーク1st

LoRaWANの通信強度実験 フューチャー株式会社 CEO室ディレクター 池田 博樹 博士(工学)

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

フューチャーでは、スマートビリッジ構想というICT技術をつかった新しい町村作りをやるという構想があるという。実際に、最先端のIT農業はではスペインで行なわれているトマト農家が有名だ。

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

今回は、京都府与謝野町の町役場の協力のもと、ゲートウェイを地上15mに壁面設置を行い、固定センサーと移動センサーを自作したということだ。

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

様々な検証を通して、移動中であっても速度が速くなければ取得できるが、高低差のあるエリアでは通信経路上に樹木などの障害物などがあると通信強度が落ちることがわかった。

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

また、障害物がない固定の場所であっても天候や時間帯で通信強度が変わることもあったのだという。

関連リンク:フューチャー

橋梁インフラモニタリングIoT 九州通信ネットワーク株式会社 執行役員 サービス開発部長 松崎 真典 氏

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

山間の橋梁は、今後高齢化が進んで行くと言われていて、現在5年に1度の近接目視点検が義務化されているので、維持管理コストが高いことが問題になる。

昨年のソラコムのイベントでも発表があった通り、電源や配線ができない橋梁では、LoRaが有効活用できると考え、宮崎県の高松橋という橋で実証実験を行ったのだが、今回は、ドローンを使った実験をしてみたということだ。

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

ドローンの飛行移動速度は14km/hくらいであれば安定したデータ取得が可能だということがわかった。

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

また、上空でのホバリング検証をした結果、上空を活用することでLoRa WANの利用範囲は大きく広がることもわかったということだ。

ソラコム SORACOM LoRa WAN Conference2017

これらを橋梁インフラに合わせると、範囲はかなり広くなることがわかる。

関連リンク:九州通信ネットワーク

今回発表された事例は、LPWAの事例としても先進的な事例だと言える。

ソラコムのソリューションでは、LoRaWANのデバイス通信部分から、データの格納までが一気通貫で提供されているため、開発者は必要なセンシングデバイスの開発と、データを格納した後の可視化やアクチュエーターを開発していけば良いことになる。

また、SORACOM HervestやMotion board、Enebularといったクラウド連携に対応した可視化ツールも充実してきていることから、やりたいことさえ決まればどんどん試していくことが可能な環境になってきたと言えるだろう。

無料メルマガ会員に登録しませんか?

膨大な記事を効率よくチェック!

IoTNEWSは、毎日10-20本の新着ニュースを公開しております。 また、デジタル社会に必要な視点を養う、DIGITIDEという特集コンテンツも毎日投稿しております。

そこで、週一回配信される、無料のメールマガジン会員になっていただくと、記事一覧やオリジナルコンテンツの情報が取得可能となります。

  • DXに関する最新ニュース
  • 曜日代わりのデジタル社会の潮流を知る『DIGITIDE』
  • 実践を重要視する方に聞く、インタビュー記事
  • 業務改革に必要なDX手法などDXノウハウ

など、多岐にわたるテーマが配信されております。

また、無料メルマガ会員になると、会員限定のコンテンツも読むことができます。

無料メールから、気になるテーマの記事だけをピックアップして読んでいただけます。 ぜひ、無料のメールマガジンを購読して、貴社の取り組みに役立ててください。

無料メルマガ会員登録