超高層ビルの建築現場における高層施工フロアは、地上からの携帯電話の電波が届きにくくなるため、光ファイバなどの固定回線を敷設して、通信環境を個別に構築する必要がある。
地上階から固定回線を敷設するため、建築が進むにつれて階層が上がるたびに、施工階とその下階をカバーできるよう都度ネットワークを再構築する必要があり、コストと稼働がかかっていた。
こうした中、KDDI株式会社は、清水建設株式会社とともに、清水建設が施工する都内の超高層ビルの建設現場において、衛星ブロードバンドStarlinkを用いた実証を2023年8月から10月にかけて実施した。
今回の実証では、KDDIが提供する「Starlink Business」を、清水建設が施工する超高層ビル建設現場の最上層に位置するタワークレーン上部に設置した。
そして、「Starlink」の衛星通信を活用した通信環境の構築および、タワークレーンの旋回時や、豪雨・強風などの悪天候時の通信への影響や品質検証を行った。

その結果、「Starlink」のアンテナをビルの最上層に位置するタワークレーンのガイサポートに設置することで、クレーン旋回の影響を受けることなく、通信環境の構築が可能であることが確認された。
また、豪雨・強風などの悪天候時でも、業務での利用中に通信が途切れることなく、安定して高速通信ができることが確認された。
今回の実証の結果を踏まえ、超高層ビル建設現場における通信環境整備への「Starlink」活用や、遠隔監視などIoTツールの活用に取り組んでいくとしている。
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