日本瓦斯株式会社(以下、ニチガス)は、通信エリアが広域かつ山間部や都市部等の通信困難区域においても通信可能なLTE-M(※1)版NCU(※2)「スペース蛍」を開発した。同開発によって、2019年7月にリリースしたSigfox(※3)版「スペース蛍」とLTE-M版「スペース蛍」のハイブリッド通信構成が実現できる。
Sigfox版「スペース蛍」の通信エリアは日本の人口カバー率95%である一方で、LTE-M版「スペース蛍」はSigfox版では通信カバーができなかったエリアを補完する。これにより、ベースコストを抑えながら通信エリアを拡大することができる。また、特定の通信キャリアに依存することなくIoTを推進することが可能だという。
ニチガスは、スペース蛍の取り付けを2020年2月より開始し、現在21万件の家庭への導入を完了しており、2021年3月までにニチガスグループLPガスの利用者全87万件への導入を目指している。
また、ニチガスグループ内での導入に加えて、外販も進めるとしている。2020年10月からガス事業者にスペース蛍、ニチガスストリーム(※4)でのデータ提供、メーター管理システム(MDDM)を通じた開閉栓作業の遠隔化やオンライン化、自動化機能を提供する予定だ。
※1 LTE-M:LPWA通信の一種で、既存のLTE回線を活用した通信を指す。
※2 NCU:Network Control Unitの略。ガスメーターの使用量データを電子的に読取り、フォーマット変換の後に無線を使ってクラウドへ送信するIoT装置。
※3 Sigfox:LPWA通信の一種で、日本ではKCCSが提供している0G通信。
※4 ニチガスストリーム:ニチガスが、ソラコムの通信技術により協働で構築している、世の中にある様々なIoTデバイス(ガスボンベやメーター等)から集めたデータを効率的にワイヤレスで収集する仕組みのこと。
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