ドイツ、ベルリンで行なわれているIFA2017のレポートの4回目は、最近の国際的な展示会では必ずと言って良いほどある、スタートアップブースからだ。
スタートアップブースでは、様々なスタートアップ企業の展示があるのは当然だが、そのなかでも、フランスのスタートアップが集まったFrenchTechや、Amazon Alexaブース、投資会社が中心となったHardware Clubなど一塊で出展しているケースも散見された。
冷蔵庫中を可視化する、FridgeCam
FridgeCamは、ロンドンを拠点とするSMARTERという、家をスマートにすることを目的とする企業の製品だ。
すでにCESで見たことがある読者もいるかもしれないが、このカメラは冷蔵庫の中を可視化する。
スマートフォンで中を見ることができるのだが、それだけではなく、賞味期限切れを伝えてくれたり、冷蔵庫の中からレシピを提案してくれたりするというのだ。
まだ、プリオーダーを受けつけている段階だが、ブースの説明員に聞くところではこの9月にはリリースをする予定だということだ。
参考:FridgeCam
指をこめかみにあてるだけで電話ができる、スマートブレスレッド sgnl
sgmlは韓国のスタートアップだ。スマートウォッチをつけた腕の指を耳にあてることで音が聞こえるという技術で、実際に体験してみたところ確かに話している声が聞こえた。
https://youtu.be/vzEqJ8F6xsk
利用シーンとしては、いろんなことが考えられるが、電話がなってスマートフォンを取り出さなくても指をこめかみにあてるだけで電話ができるというのは単純に使いやすそうだと感じた。
sgnlもプリオーダーを受け付けている。
参考:sgnl
体の動きをトラッキングするウエアー e-skin
日本から、シャツに電極を張り巡らし、体の動きをトラッキング。機械学習を活用してトラッキングデータから体の動作を認識するというシャツが展示されていた。

これを活用することでゴルフのスイングの練習をしたり、体を動かすゲームを開発することができるのだという。3DゲームをつくることができるUNITYのライブラリも準備されていて、遊びを開発することもできるということだ。
こちらは、まだクラウドファンディングを行っている状況のようだ。
クレジットカードの置きっ放しを防ぐ PROTEC.CARD
最後は、FrenchTechから。クレジットカードに外付けしておくことでクレジットカードの置き忘れを防止するというものだ。
まず、クレジットカードをカードフォルダーデバイスに装着するとICカードを認識し、スマートフォンにクレジットカード自体を登録する。
スマートフォンとの接続にはBluetooth Low Energyを使っているので、少し離れるか、カードがデバイスから取られた場合、アラートとジオロケーションとで利用者は認識できるということだ。
認識するだけでなく、カードを停止する手続きをするための電話番号もポップアップするという至れり尽くせりぶりだ。
このデバイス、一度充電すれば半年はもつということで、ほぼ充電いらずとなるのもポイントだということだ。
サービス、プロダクトとしては荒削りではあるものの、どれもこれからの可能性を秘めている面白いプロダクトだと感じた。
スタートアップブースには今後も足を運んで、いろんな刺激を受けていきたい。
IFA2017レポート:
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。