鉄道建設工事は、営業線に近接した現場での作業を短時間で集中的に行う必要があり、列車の安定輸送や、利用者や作業員の安全管理が課題だという。
そうした中MODEは、東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)とJR東日本スタートアップ株式会社とともに2022年1月より開始していた、JR浜松町駅における夜間工事のデジタルツイン化に向けた実証実験が完了したことを発表した。
この実証実験では、JR浜松町駅における夜間改良工事をデジタルツイン化し、鉄道工事現場におけるデータ活用についての検証が行われた。
具体的には、準天頂衛星対応GPSトラッカーを使用した工事関係者・軌陸車のリアルタイム位置情報把握と、活動量計測シューズセンサおよび超小型温度計測パッチセンサを使用した工事関係者の活動状況・バイタル相関分析、準天頂衛星対応GPSトラッカーを使用した鉄道工事中で使用する保安機器の状況把握が行われた。
実証実験の結果、作業時間4時間で14,000歩/人以上の活動量を確認。特に安全確認の注意力を必要とする撤収作業時間帯の歩数が多くなっており、体力的にも負荷がかかりやすい時間帯であることが認識された。
また、実験期間の約2ヶ月で59項目の知見、12項目の課題を取得し、作業者の80%が「負担にならない」とアンケートで回答し、現場に負担のかからないセンシングを検証できたとしている。
さらに、工事関係者、軌陸車の位置をリアルタイムに把握できたことも確認された。
こうした結果を通して、現場データ全てをリアルタイムで収集・蓄積することの有効性が確認され、実用化に向けてはGPS精度の検証を継続する必要性が認識された。
今後は、実運用展開・多用途展開を目標に、地方部や夏季の運用、センシング機能の拡張、サービス事業での活用などに取り組むとしている。
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