竹中工務店・アトムシステム・キッズウェイが無線型騒音･振動管理システム「DECIBERY」を開発、レンタル開始

これまでの建設現場における騒音・振動の管理は、アナログ式の精密な騒音計や公害振動計を使用して敷地境界部で計測し、モニターで計測値を表示するのが一般的だった。

インターネット通信用のルータを使用して通信機能を追加することにより、遠隔地からの確認やデータの取得も可能だったが、通信環境の構築には費用がかかり、その利用は限られていた。

そこで株式会社竹中工務店、株式会社アトムシステム、株式会社キッズウェイの3社は、建設現場の騒音と振動をデジタルで計測し、そのデータをクラウドに送信するシステム「DECIBERY」を共同開発し、2024年5月からレンタルサービスを開始すると発表した。

新たに開発された「DECIBERY」は、デジタル騒音・振動計測センサとIoT通信デバイスを組み合わせた、リアルタイム管理システムだ。現場事務所など遠隔から、リアルタイムでデータを管理することが可能だ。

このシステムは、建設現場に導入しやすいように設計されており、アナログ式と同程度の精度を持つ安価なデジタルセンサと多機能なIoT機器を使用し、通信機能を標準搭載している。

システムの概要としては、騒音マイクと振動センサで騒音レベルと振動レベルを算定し、そのデータをIoT通信デバイスに送信する。

IoT通信デバイスはデータを保存し、LTE通信を介してクラウドにデータを送信する。クラウドで受信したデータは、現場に設置したモニタや事務所内のパソコンなどにリアルタイムで表示される。

さらに、設定値以上の騒音と振動を予測・検知した場合には、現場員や重機オペレータにアラートを送信する仕様だ。

また、「DECIBERY」は半径20mの通信圏内であれば最大8カ所まで同時計測が可能で、新開発のデジタルセンサは従来のアナログ機器と同等の計測精度を確保している。

遠隔地からでも管理業務の遂行が可能で、騒音・振動レベルが超過する傾向を予測する機能も搭載している。

なお、竹中工務店施工中のプロジェクトで、既に「DECIBERY」を導入している。その結果、データ回収に要する時間が不要となり、遠隔からでもインターネットで計測値の確認やデータ・帳票のダウンロードが可能であることが確認された。

各社の役割は、竹中工務店とアトムシステムがデジタルデバイスの騒音・振動計測機構とクラウド関連システムを共同開発し、キッズウェイが量産・在庫保有・レンタル展開を担当する。

IoTNEWS編集部

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。