KDDI株式会社は、エリクソン・ジャパン株式会社と共同で、次世代移動通信システム「5G」の本格化に向け、5Gコアネットワークの機能を活用した、大容量、低遅延など顧客の利用用途に応じてネットワークを動的に変更できる「ネットワークスライスのオンデマンド構築技術」と、容易にアプリケーションの認証が可能となる「ゼロタッチ認証技術」を開発した。
- 利用シーンに応じたネットワークスライスのオンデマンド構築
5Gコアネットワークのキーテクノロジーとして、ネットワークスライシング機能が挙げられる。ネットワークスライシング機能は、多様なユースケースそれぞれの要求条件に合わせた個別のネットワークを効率的に構築することが可能になる。また、従来の仮想化技術(※1)では提供に係るリードタイムが課題になると考えられている。今回、アプリケーション起動の高速性やハードウェアの効率的な利用などに優れたコンテナ技術を導入することで、顧客自身の操作に応じてオンデマンドにネットワークスライシングの提供が可能となる。
- 5GコアネットワークのAPI(※2)を用いた安全で簡単なゼロタッチ認証
顧客がアプリケーションを利用する際、確実なユーザー認証を行うため、IDとパスワードの組み合わせにSMS認証(※3)などを加えて安全性を確保する方法が広く用いられているが、顧客の操作が増えることから、ユーザビリティや煩雑性が課題となっている。今回、5Gコアネットワークが備える機能をAPIにより外部公開する仕組みを介して、アプリケーションとサービスプロバイダー間の認証について安全性を確保しつつ自動化する仕組みを開発した。これにより従来と比較し、顧客の手を煩わすことなく、簡単にアプリケーションの利用が可能となることが期待される。
※1 従来のハードウェアとして実装されたネットワーク機器のハードウェアとソフトウェアを分離し、仮想的なハードウェア上でネットワーク機器を動作させる技術
※2 ハードウェアやソフトウェアが持つ機能を、他のアプリケーションなどで利用するための仕組み
※3 アプリケーション利用時に、SMSで通知された認証コードを入力することで認証する方法
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