ラトックシステム株式会社は、これまでの酒造品温モニタリングシステム「もろみ日誌」を刷新したクラウド版のもろみ日誌を、2021年8月中旬より提供開始する。
もろみ日誌は、酒造3工程(麹/酒母/もろみ)の品温管理を支援するシステムである。酒造りに重要なもろみなどの品温を自動で計測、記録を行う。分析値や状ぼう写真などの事績データを一括管理し、グラフ確認や帳票作成に活用する。
今回新たに提供するクラウド版は、これまでのもろみ日誌のハードウェアとシステム構成を刷新しており、Wi-SUN接続の品温センサーをLTE-Mゲートウェイに集約し、事績データベースを完全にクラウド化した。加えて、品温センサー以外の機器をもろみ日誌に接続するための変換ユニットも開発した。詳しい特長は以下の通り。
- 酒造3工程の品温を自動で記録、事績を一括管理
- どの端末からも入力や過去データ閲覧などフル機能が使用可能
- 設置自由度の高いシステム構成
- 品温センサー以外の温度調節器と連携
センサーで品温を自動計測し、その計測値やグラフをどこからでも確認できる。帳票印刷にも対応、現場負担を軽減する。品温のほか日本酒度やアルコールなど分析値、状ぼう写真を含めた事績をデータ化し、技術継承に役立つ。
データベースをクラウド上に構築、複数の端末から分析値の入力や事績の参照が行える。仕込蔵、事務所、分析室、外出先、どこにいても仕込み中の事績確認に加え、過去のデータの確認や入力などの機能をフルに活用できる。
品温センサーはゲートウェイにWi-SUN接続している。距離は見通し500m(最大)、中継機を使用すると1kmの長距離伝送が可能だ。クラウドにはセルラー回線を用いたLTE-M通信を介して接続するため、蔵の中にネットワーク環境は不要となる。パソコンはインターネットに接続されていればよく、専用の機器を導入する必要はない。
また、もろみ日誌の新システムは、Wi-SUN Enhanced HAN規格に対応している。品温センサーは単3アルカリ電池3本(パナソニックEVOLTA推奨)で約6ヶ月使用できる省電力設計となっている。
新たにRS485からの品温データをWi-SUNに変換して送信する「もろみ変換ユニット」を開発した。仕込みの現場で利用されている第一工業株式会社製「デジタル式電磁弁サーモセット」の品温も、クラウドで一括管理できるようになった。さらに今秋には、スマホアプリから設定温度が変更可能になるという。その他、温度調節器を搭載しているクーリングタンクや集中品温管理盤(マルチドロップ)にも対応予定だ。
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