STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、Qualcomm Technologiesと協業し、STのマイコン「STM32」対応のワイヤレスIoTモジュール「ST67W611M」を発表した。
「ST67W611M」は、産業用およびコンスーマ用IoT機器向けのワイヤレス・ソリューションの開発を簡略化するIoTモジュールだ。STのSTM32開発エコシステムと、Qualcomm Technologiesの無線通信ソリューションを活用している。
Wi-Fi 6、Bluetooth 5.3、Threadに対応するマルチプロトコル・コネクティビティ・システム・オン・チップ(SoC)「Qualcomm QCC743」を搭載し、あらゆる「STM32」マイコンまたはマイクロプロセッサ(MPU)と統合することができる。
また、MatterプロトコルをWi-Fi経由で利用することができ、STM32ポートフォリオからMatterプロトコルを利用することができる。
さらに、コードおよびデータ格納用の4MB Flashと40MHz水晶振動子も内蔵しているほか、内蔵PCBアンテナ、または、外部アンテナ用マイクロRF(uFL)コネクタも搭載している。
なお、「ST67W611M」を使用したシステム開発に活用できる「STM32」開発エコシステムには、4,000品種以上の製品、統合開発エコシステム「STM32Cube」のツールとソフトウェア、エッジAI開発を促進する機能強化が含まれている。
AI向けの機能強化としては、STの「Neural-ART Accelerator」を搭載し、最近量産が開始された「STM32N6」マイコンのほか、「AI Model Zoo」や「STM32Cube.AI」および「NanoEdge AI」最適化ツールを備えた「ST Edge AI Suite」がある。
「ST67W611M」は、現在サンプル出荷中で、機器メーカへの提供は2025年第1四半期、一般提供は2025年第2四半期を予定している。
STのマイクロコントローラ・デジタルIC・RF製品グループ社長であるRemi El-Ouazzane氏は、「両社の協力は、組込みシステムでSTM32ファミリを利用している大規模なコミュニティに多くのメリットをもたらす。無線通信技術に関するQualcommの専門技術を、製品開発に手軽に利用できるようになり、STM32開発エコシステムが提供するソフトウェア、ツール、機能および設計期間短縮技術と組み合わせることができる。」と述べている。
一方Qualcomm Technologiesのコネクティビティ・ブロードバンド&ネットワーキング事業グループ・ジェネラル・マネージャーであるRahul Patel氏は、「今後も、引き続きSTと協業し、Wi-Fi、Bluetooth、AI、5Gなどによって、さらにこれまでにないコネクテッド体験を提供できることを楽しみにしている」と述べている。
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