KDDIとソラコムは、IoT 向け回線サービス「KDDI IoT コネクト Air」を共同開発し、2016年12月以降に提供開始することを発表した。
SIM、すなわちネットワーク回線はKDDIの回線であるが、サービスの利用開始や停止、顧客管理やクライアント自身で行う速度設定などのサービス制御の設定は、ソラコムの携帯通信コアネットワークである「SORACOM vConnec Core(※)」を活用している。
「KDDI IoT コネクト Air」は、「SORACOM」同様、SIM単体でサービス提供され、1日10円の基本料金や1MB 0.2 円からのデータ通信料となっており、基本的なでデータ通信料については「SORACOM」と同料金に設定されている。そのため、IoTに特化したシンプルで安価な料金体系と言えそうだ。
また、今まで通信キャリアでは困難であったウェブ上でSIMの申し込み、発行、管理ができるためクライアントはIoTビジネスをすぐ始められ、ブラウザから通信速度の変更や通信状況監視等を管理することができる。
KDDIはM2M/IoT分野への取組は約15年にわたる実績を持っており、IoT活用の進展に伴い、今までの通信キャリアのサービスでは対応できないニーズが顕在的になり、一定期間ごとや少量データなどのIoTセンシングデータに適した料金体系で手軽にスモールスタートでも始められる新たなIoT 向け回線サービス「KDDI IoT コネクト Air」を開始することを決めたという。
ソラコムはNTTドコモとMVNO契約している 「SORACOM」は従来通り提供し、KDDIの「KDDI IoT コネクト Air」は競合する形にはなるようだが、ユーザーから見た時は、ドコモ回線、KDDI回線という選択肢が増えるだけでなく、KDDIは本サービスをベースとした新たなIoT向けサービスも検討しており、より一層IoTの取組みを後押しする形となるだろう。
今回のKDDIのIoT向けの低料金かつ柔軟に利用できるサービスの発表は、長年M2M/IoT分野で争いをしてきた他の大手通信キャリアにも大きな刺激を与えそうだ。
※「SORACOM vConnec Core」は、「SORACOM」で提供している、柔軟な契約、リーズナブルな料金体系、WebコンソールやAPIによる回線の一括管理に加え、IoT/M2M用途に適したクラウド連携や、セキュリティなどのサービス提供が可能な携帯通信コアネットワーク。
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1975年生まれ。株式会社アールジーン 取締役 / チーフコンサルタント。おサイフケータイの登場より数々のおサイフケータイのサービスの立ち上げに携わる。2005年に株式会社アールジーンを創業後は、AIを活用した医療関連サービス、BtoBtoC向け人工知能エンジン事業、事業会社のDXに関する事業立ち上げ支援やアドバイス、既存事業の業務プロセスを可視化、DXを支援するコンサルテーションを行っている。