総務省は、第5世代移動通信システム(5G)実現による新たな市場の創出に向けて、様々な利活用分野の関係者が参加する5Gの総合的な実証試験を開始する。
5Gは、3Gや4Gを発展させた「超高速」だけでなく、「多数接続」、「超低遅延」といった特徴を持つ次世代の移動通信システムであり、本格的なIoT時代のICT基盤として、早期実現が期待されている。
総務省では、5Gの実現に向け、要素技術を確立するための研究開発の推進、国際的な標準化活動を進める観点からの国際連携の強化、5G用に割り当てる周波数の確保等に取り組んでいる。今年度からは、5Gの実現による新たな市場の創出に向けて、様々な利活用分野の関係者が参加する5Gの総合的な実証試験を開始するという。
総務省としては、2020年(平成32年)の5Gの実現を目指し、これらの取組を加速していくとしている。
5G総合実証試験(平成29年度)の実施概要は、以下の通り。
- 株式会社NTTドコモ
<主な想定パートナー>
・東武タワースカイツリー株式会社
・綜合警備保障株式会社
・和歌山県
<概要>
高臨場・高精細の映像コンテンツ配信や広域監視、総合病院と地域診療所間の遠隔医療に関する実証
<主な想定実施場所>
・東京都(東京スカイツリータウン周辺)
・和歌山県
<技術目標>
ユーザ端末5Gbpsの超高速通信の実現
※基地局あたり10Gbps超 - エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
<主な想定パートナー>
・東武鉄道株式会社
・株式会社インフォシティ
<概要>
高速移動体(鉄道、バス)に対する高精細映像配信に関する実証
<主な想定実施場所>
・栃木県(東武スカイツリーライン・日光線沿線)
・静岡県
<技術目標>
高速移動時における 2Gbpsの高速通信の実現 - KDDI株式会社
<主な想定パートナー>
・株式会社大林組
・日本電気株式会社
<概要>
建機の遠隔操作など、移動体とのリアルタイムな情報伝送に関する実証
<主な想定実施場所>
・埼玉県
<技術目標>
1ms (無線区間)の低遅延通信の実現 - 株式会社国際電気通信基礎技術研究所
<主な想定パートナー>
・那覇市
・京浜急行電鉄株式会社
<概要>
屋内スタジアムでの自由視点映像の同時配信や鉄道駅構内における高精細映像の収集配信に関する実証
<主な想定実施場所>
・沖縄県
・東京都(羽田空港国際線ターミナル駅)
<技術目標>
ユーザ端末5Gbpsの超高速通信の実現
※基地局あたり10Gbps超 - ソフトバンク株式会社
<主な想定パートナー>
・先進モビリティ株式会社
・SBドライブ株式会社
<概要>
トラックの隊列走行、車両の遠隔監視・遠隔操作に関する実証
<主な想定実施場所>
・山口県
<技術目標>
1ms (無線区間)の低遅延通信の実現 - 国立研究開発法人情報通信研究機構
<主な想定パートナー>
今後公募により選定
<概要>
生産から消費までの物流管理や在庫管理、自由な働き方を実現するスマートオフィスやテレワークに関する実証
<主な想定実施場所>
・北海道
・大阪府
<技術目標>
100万台/km2の多数同時接続の実現
注:現時点での実施内容であり、今後、変更や追加等があり得る。
【関連リンク】
・総務省
・NTTドコモ(NTT docomo)
・NTTコミュニケーションズ(NTT Communications)
・ケイディーディーアイ(KDDI)
・国際電気通信基礎技術研究所(ATR)
・ソフトバンク(SoftBank)
・情報通信研究機構(NICT)
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