近年、企業でのDX推進やデータ利活用の取り組みが注目されている中で、ユーザーが求めるデータの粒度が細かく(明細単位)なり、かつリアルタイムでデータを処理することが求められている。
株式会社NTTデータとSnowflake株式会社(以下、スノーフレイク)は、2020年9月より資本提携を開始し、企業のデータ活用によるDX支援を進めてきた。
このほど、NTTデータとスノーフレイク、Qlik Technologies Incの日本法人であるクリックテック・ジャパン株式会社(以下、Qlik)は、スノーフレイクのクラウドデータプラットフォーム活用促進に向け協業し、QlikとSnowflakeを活用した「Snowflake×Qlikデジタルデータカップリングon A-gate」の提供を開始した。
同ソリューションは、企業の持つ膨大なデータ(素データ)をリアルタイムで、連携・蓄積・加工・分析・データ配信まで一元的に管理することができる。Qlikが提供するデータ統合製品・データアナリティクス製品等と、スノーフレイクが有するクラウドデータプラットフォームとのセキュアな連携を通じて、AI・データ活用を起点にビジネスの成功を支援、あらゆる組織のデータドリブン対応を国内外で加速することを支援する。
NTTデータグループが提供するリアルタイムデータ連携HUB・分析プラットフォームサービス「Qlik Managed Service on A-gate(※1)」とSnowflakeをセキュアに接続し、安全・安心にクラウド上でDX推進・データ利活用を促進できるよう支援する。
SAP基幹システムやSaaS型CRMシステムにサイロ化されたデータを保有しているユーザー企業向けに各システムに分断されて眠っているビジネスデータを、Qlikデータ統合製品を活用し素データをリアルタイムでSnowflake上にデータカップリング(データ連携・統合・蓄積)しデータ加工や分析を行い、社内外にDX促進・データ活用の促進を支援する。
また、クラウド上に集約した明細データを、社内・社外(協力会社)・社外(顧客)等複数の用途に活用できるデータ・配信基盤へ昇華させるという。
さらに、データ連携におけるボトルネックとして一般的に上げられる大量データにおけるデータ加工(ETLツール等)時のパフォーマンス劣化や、バッチプログラムの処理遅延等の課題解消、およびクラウドデータウェアハウスへ移行する際のコストの抑制に寄与・コスト最適化を実現するSnowflake×Qlikベストプラクティスアーキテクチャー(リファレンスモデル)の提供を行う。
各ソリューションの特長は以下の通り。
- Qlik ReplicateとQlik Compose
- リアルタイムデータレプリケーション: 企業環境やハイブリッド環境にまたがってデータを高速移動させることで、リアルタイムなビジネス要件に対応
- ゼロインパクト: ログベースのゼロフットプリントテクノロジーにより、データソースとターゲットのパフォーマンスのオーバーヘッドを最小限に
- データ圧縮と高速転送:データを効率的に圧縮し、ワイドエリアネットワーク(WAN)経由で複数パスを使って高速に転送
- データパイプライン構築の自動化(Qlik Compose):データの取り込み、スキーマの作成、継続的な更新を自動化、時間、コスト、リスクを大幅に削減しながら、俊敏なデータウェアハウスを提供
- Snowflake
- データを一元管理することが容易にでき、サイロ化が解消されてデータを高度に活用することが可能。またデータマネジメント・データガバナンスに係る負荷を大幅削減
- リソースの競合を意識することなく、必要なリソースを瞬時に割り当てることができ、優れた柔軟性と高パフォーマンスを発揮
- 利用した分だけ課金される完全重量課金モデルにより高いコストパフォーマンスを実現
- Qlik Sense
- 大規模ユーザー利用向けデータガバナンス・セキュリティ・権限設定の柔軟性
- データ結合・データモデル、ならびに直感的なユーザーインターフェースをAI支援により容易に作成可能
- 特許技術による高速な大規模データ処理と、探索・分析における圧倒的な高パフォーマンス
- エンドユーザーがQlik Senseからデータソースに直接アクセスできるため、データ管理者によるデータマート(※2)作成作業は不要
- DX基盤・Webサービス基盤として汎用的で、高い拡張性と柔軟性を備えたアナリティクスプラットフォーム
- Qlik Catolog
- ビジネスユーザーが、データマーケットプレースを通じ、あらゆるエンタープライズデータソースを検索、理解、使用可能
これまで企業はさまざまな制約により、大量データに自由にアクセス・利活用することができなかったが、同サービスを活用することにより、社内外に散らばったデータや大量データを蓄積・加工・分析可能になるという。一つに集約したデータは、業務の自動化・効率化はもとより、迅速な意思決定による収益増加に寄与するとしている。
今後3社は、今回の協業を通じて同ソリューションを中心としたマーケティング・販売活動を共同で行っていく。また、同ソリューション関連ビジネスで2025年までに、売り上げを90億円規模に拡大することを目指す。
※1 Qlik Managed Service on A-gate:エンタープライズ企業向けにパブリッククラウドを安全・安心に利用できることをコンセプトとしたパブリッククラウドサービス「A-gate」にQlik製品を実装しマネジドサービス(SaaS/PaaS型)としてNTTデータグループが国内ベンダーで国内・海外問わず提供可能なクラウドサービス。自社利用のみならず、外部(顧客・取引先・サプライヤー等)向けデータ収集・データ共有・データ提供を実現するデータコラボレーションプラットフォームとしても活用できる。
※2 データマート:企業などで情報システムに記録・蓄積されたデータから、利用部門や用途、目的などに応じて必要なものだけを抽出、集計し、利用しやすい形に格納したデータベースのこと。
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