新型コロナウイルス感染症拡大を契機に、非対面の企業窓口としてコンタクトセンターの重要性が高まるとともに、ユーザーとのコミュニケーションチャネルが電話からチャットへ移行するなど、デジタル化が進んでいる。
コンタクトセンターの運用を支えるIT基盤に対して、在宅化や柔軟性の高い運用が求められており、コンタクトセンターのクラウド化が加速している。一方で、電話回線も含めフルクラウド型コンタクトセンターを導入する際の課題として、企業が利用中の固定電話番号を継続利用できないことなどがあった。
KDDI株式会社は、ジェネシスクラウドサービス株式会社(以下、ジェネシス)が提供するオール・イン・ワンのクラウド型コンタクトセンター・プラットフォーム「Genesys Cloud CX」との連携により、クラウド電話回線サービス「Cloud Calling for Genesys Cloud CX」を2022年10月31日より提供開始する。
同サービスでは、電話回線関連設備までクラウドで提供することで、電話・メール・チャットなどのお問い合わせ対応業務からコンタクトセンター設備の保守運用まで、クラウド上で実現する。Genesys Cloud CXをKDDI提供中のクラウド音声網へ接続することで、Genesys Cloud CXに固定電話番号の使用と番号ポータビリティの機能を追加した。
また、番号ポータビリティにより、企業が従来のコンタクトセンターで利用中の固定電話番号を継続利用できる。これにより、電話回線を含めたフルクラウド型のコンタクトセンターを実現する。同サービスとセットでKDDIが提供しているフリーコール(着信課金番号0120/0800)の利用も可能だ。
さらに、拠点側に固定電話回線・音声ゲートウェイ・機器を設置する必要がないため、数週間でクラウド電話回線を提供可能だ。回線数の変更に伴うハードウェアの構成変更も不要なため、企業のニーズに合わせた柔軟なコンタクトセンター環境を実現する。
Genesys Cloud CXの不具合時のBCP対策の1つとして、KDDI音声網内の転送機能により外線着信を転送することが可能だ。なお、KDDIからは電話回線契約を提供し、Genesys Cloud CXのライセンス提供および、システムインテグレーションサービスはジェネシス認定パートナー企業が提供する。
同サービスの利用料は、基本料が2,000円/契約、050/0ABJ番号が300円/1番号、0120が2,000円/1番号、0800が1,500円/1番号となっている。
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