株式会社日立製作所(以下、日立)、株式会社JPX総研、野村證券株式会社、株式会社BOOSTRYは、日立による、IoTやブロックチェーン基盤などのデジタル技術を用いた「グリーン・デジタル・トラック・ボンド(以下、デジタル環境債)」の発行に向けて、協業することを発表した。
デジタル環境債は、デジタル技術を活用して、グリーン投資に関連したデータの透明性の向上や、データ収集の効率化をめざす債券だ。日立とJPX総研が開発した、環境改善効果をタイムリーに参照できるグリーン・トラッキング・ハブに加え、BOOSTRYが提供するブロックチェーン基盤を活用した社債型セキュリティ・トークン(以下、デジタル債)のスキームを活用する。
デジタル債は、日立が発行会社となる公募STO(セキュリティ・トークン・オファリング)だ。STOとは、発行会社が従来の株式や社債などに代わり、ブロックチェーンなどの電子的手段を用いて発行するトークンに、株式や社債などを表示する「セキュリティ・トークン」により資金を調達するスキームだ。
デジタル債を発行するプラットフォームは、従来の証券保管振替機構による管理に代わり、BOOSTRYが主導するコンソーシアム型ブロックチェーンネットワーク「ibet for Fin」を用いて発行・管理を行い、発行から期中管理、償還までの業務プロセスを電子的方法により完結させる。
日立は、デジタル環境債によって調達した資金使途の透明性を高めるため、日立とJPX総研が開発したグリーン・トラッキング・ハブを活用して、資金充当した省エネルギー性能を有する建物のエネルギー消費量を自動的に計測する。これにより、ベンチマーク比でのCO2排出削減量、エネルギー削減量に換算、データ開示を行う。
また、BOOSTRYへのデータ連携を行い、「ibet for Fin」上にエネルギー削減量やCO2排出削減量を記録することで、データの透明性・適時性を高めることが可能となる。
グリーン・トラッキング・ハブでは、すでに対応済みである再生エネルギー施設からのデータ収集機能に加え、今回建物からのデータ収集に対応。今後対象となるグリーンアセットを順次拡大していく予定だ。
なお、日立は、グリーン・トラッキング・ハブが有するグリーンプロジェクトの環境改善効果の透明性を高める仕組みを応用し、カーボン・クレジットの発行・認証の自動化や、事業会社のカーボン・オフセット支援などにも活用シーンを拡充していく計画だ。
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