Interop Tokyo 2015に出展していたNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術統合開発機構)(※)のブースで、日立が提供する社会インフラを効率的に維持・管理するM2Mプラットフォームサービスが展示されていた。
※NEDOとは 1970年代に世界を襲った2度のオイルショックをきっかけに設立された、日本最大級の公的研究開発マネジメント機関として、経済産業行政の一翼を担い、エネルギー・環境問題の解決および産業技術力の強化の二つのミッションに取り組む国立研究開発法人。
前提として、高度成長期に整備された社会インフラの老朽化拡大の懸念について、政府は、センサやIT等を活用した社会インフラの状態の効率的な把握を可能とする新技術の開発・導入を進めることを推進している。
M2M(Machine to Machine)という、機器同士の通信は今にはじまった技術や考えではなく、古くからあったものだが、スマートフォンの世界的な普及によりセンサーの低価格や技術の発達が進み、IoTの広がりとともにM2Mという言葉も再注目されるようになってきた。
最近のIoT関連の展示会では、「新しい技術を開発し、社会インフラの監視や管理サービスを開始する」という企業も見かけるが、まだ実用化はこれからという企業も多い。そんな中、日立ではすでに実用化されているM2Mプラットフォームを紹介していたので、お話を伺った。
![日立 M2Mプラットフォーム](https://iotnews.jp/wp-content/uploads/2015/06/IMG_20150612_104547.jpg)
今回展示されていたのは、M2Mプラットフォームのデータ収集入り口であるセンサーノード(※1)とゲートウェイ(※2)だ。
※1 簡単なデータ処理機能と無線通信機能をつけたセンサーデバイス
※2 電気通信分野におけるゲートウェイの定義は、コンピュータネットワークでプロトコルの異なるネットワークと接続するためのネットワークノード(通信機器)のことである。 参照:日立ソリューションズ
センサーノードとゲートウェイを設置するのは下図にもあるように、道路や橋、鉄道、各種プラント、データセンタ、火力発電所、などだ。M2Mプラットフォーム全体としては、センサーが取得したデータをゲートウェイが収集し、クラウドサービスを通じAPI連携後、最終的にヒトへ見える化する。
センサーノードとゲートウェイの間は見通しがよければ1km、実測で400mの間隔で利用できるそうだ。
例えば2014年に発表されたサービスとしては、「太陽光発電型センサーノード」を鉄道の架線などに取り付け、「モバイル型ゲートウェイ」を車両に載せた電車が走ることで、ゲートウェイがセンサーを次々検知し読み込んでいく、とのこと。
この仕組みがあることで、各所の温度状態を自動的に収集でき、効率的な状態監視や保守管理を実現できる。
「太陽光発電型センサーノード」は、太陽電池と省電力制御技術を搭載することにより、外部からの電源供給や電池交換が不要で、「モバイル型ゲートウェイ」は電池駆動で数分に1回の通信であれば5~6年持つそうだ。
日立が発表しているとおり、センサーの省電力化はM2M、IoTの発展に必要不可欠な技術だ。
日立のセンサーは太陽光発電で電池交換が不要だが、先日記事にした「無線モジュールのバッテリーレス化が可能になる、スプレーコーティングがすごい!」ではコーンズテクノロジーが、ひずみが発生する橋や機器にスプレーコーティングをすることでバッテリーレス化を実現していた。
社会インフラの効率的な維持・管理を進めるには、電池交換などが必要ないバッテリーレス化はマストだろう。それはもちろんIoT分野全体にもいえる。
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