アート×テクノロジーのイノベーション人材を育てるクロステックデザインコース

吉田:ウルトラファクトリーで構想を進めていくうちに、技術も知識も人もクロスさせていく接点のなかに新しい価値観が生まれるのではないかという考えが生まれました。
芸術大学はそもそも、理屈だけでなく、未来を描いたときに社会の人がわくわくするビジョンを提示できるスキルを身につける場所だと思います。そこで、大学の中にアートとテクノロジーのクロス価値に特化したコースがあれば、社会の縦割り価値観を変えていくことができるんじゃないかなと思いました。
それが、2018年にできた「クロステックデザインコース」です。
クロステックデザインコースは5軸で体系的に学ぶことができます。
背骨になるのが「スタートアップ」です。どこかで就職することが前提の技術でなく世の中に新しい製品やサービスや事業を起こしていくのならば、どういう仕組みを理解しなければならないのか、を学びます。
2つめには、「メカ&エレキ」。世の中の製品・サービスがどういう機構で動いているのかというのを理解して、新しい製品を生み出します。
3つ目が「ネットワーク&プログラミング」。IoT/IoEが社会の基盤になると言われている中で製品・サービスを繋げるしくみの理解は不可欠です。
4つ目が「プランニング」。人を幸せにするような製品・サービスを生み出すにはなにが必要かのプランニングを学びます。
最後は「コミュニケーション・プレゼンテーション」。きちんと伝えることで他の人からのアイデアを誘発したり、支援を受けたりすることができる。その5軸で1年生から4年生まで学んでいきます。
まず、一つの課題に対し、4人のグループで取り組みます。全員がすべての領域が得意である必要はありません。5軸の構造をチームワークでこなしていく、まさにスタートアップでも言われているチームワークも実践的に身に着けていきます。
小泉:まさにスタートアップですね。非常に実践的なプログラムだと感じました。
海外の芸大とのコラボレーションもあると伺いましたが、お聞かせいただけますか。
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IoTNEWS生活環境創造室所属 ビジネスクリエイター。カリフォルニア州立大学にてコンピュータサイエンス・コミュニケーションデザインを学び、2005年よりアクセンチュアにてコンサルティングに従事。大小数多くのプロジェクトに関わる。2010年に株式会社電通に中途入社し、NtoN発想での新規事業創造プロジェクトDentsu JAM!ビジネスクリエーターとして日本の未来を開拓に携わる。